Fine Art on Wheels
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芸術という言葉は、Artの訳語として 明治時代に生まれたものらしい。ではArtとは一体何なのか。Art is long, life is short. ギリシャの医学者ヒポクラテスの言葉とされるこの格言は、ラテン語のArs longa, vita brevis. がその原文である。さらに言えば Ars(アルス)は、ギリシャ語のTechne(テクネ)に相当するものであり、本来は芸術というより、自然と対峙して活きる、人間が築いてきた技術力を意味する言葉であった。つまり芸術を意味する言葉は、技術そのものと同源でもあるのだ。
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自動車の芸術性とは、必ずしもデザインだけの話ではない。技術の粋を、新たな価値として定義し直すプロセス、またはその成果物のこと。それはブランドパワーではなく、もっと根源的な、人間の雄叫びのようなもの。車こそ、芸術の塊である。
これは1964年のル・マンでフェラーリを破った、あのレーシングカーの継続生産車にまつわる物語である。
300SLガルウィングは純粋なレーシングカーとして誕生したが、ロードゴーイングバージョンも素晴らしい戦績を残している。
『Octane』寄稿者のデルウィン・マレットは、華やかなロンドンの中心街で1960年代にメルセデス・ベンツ300SLガルウィングと出会い、いつか所有しよう心に決めた。その夢を1974年に叶えて以来、ガルウィングとともに歩んできた40年を振り返る。
メルセデス・ベンツが生み出したガルウィングドアは、その後、エキゾチックなスーパーカーに不可欠のモチーフとなった。
シェルビー・コブラよりも崇拝されるスポーツカーが他にどれだけあるだろうか。しかもそこには必ず始まりがある。ウィントストン・グッドフェローが"伝説の起源そのもの"に試乗した。
1973年のル・マンで総合4位に輝いたポルシェ911 RSRが、40年の時を経て、再び同じドライバーとル・マンを走るという。Octaneはそこに同乗させてもらった。
マルティーニの広告制作ディレクターを務めていた『Octane 』寄稿者のデルウィン・マレットが、レースにおけるマルティーニ・カラーの歴史をひもとく。
ラインナップ中で最も大きなベントレーは常に時代を牽引してきた。英国最初の国立公園として知られる広大なピークディストリクトで、ヴィンテージモデルの8リッターと最新のミュルザンヌを比較する。
アルピナがBMWチューニングを手掛けて間もない頃の作品が、3.0CSLをベースにしたアグレッシブなB2Sだ。ロバート・コウチャーがアートコレクター保有の"アート"に触れた。
「彼らは夢想家だ」とあなたはいうかもしれない。しかし、映画"イマジン"に登場した霊柩車が、本当にロンドンのオークションに現れたのだ。