ちょうど良い。そんな表現が、ちょっと古いポルシェ911にはぴったりと当てはまる。思い切り走らせれば、本気のスポーツカー。高速でロングドライブを楽しめば、疲れ知らずのグランツーリズモ。また、そのポテンシャルを楽しみたいからといって、必要以上に神経質なメインテナンスを求められることもない。空冷搭載車は決して静かではないが、五感に響くすべてのフィーリングがドライバーの心を妙に穏やかにしてくれるという不思議さ。ポルシェの楽しさを一度経験すると、誰もがその虜になってしまう。ポルシェ、ポルシェ、ポルシェ.......ポルシェは永遠の価値をもつ、そんな珍しい車である。
初期のプリAから、シリーズ最後の356Cまで、黎明期のポルシェには、どこかスペシャルなところがある。だが、それぞれの個性はまったく異なるのだ。
ポルシェ911とジャガーEタイプには意外にもいくつかの共通点がある。初期の911とEタイプを乗り比べてみよう。
カレラ2.7 RSの好敵手といえば、BMW CSL"バットモービル"以外に最適な選択肢はないだろう。2台の素晴らしいスペシャル・ホモロゲーション仕様を最高の舞台であるスパ・フランコルシャンに持ち込んだ。
ロングテールの917以上に強烈な印象を与えるスタイリングのレーシングマシーンがこれまでに存在しただろうか? デビュー当初はおそろしく速いものの極めて扱いにくかったモンスターは、やがて自動車レースの歴史に名を残す偉大な存在へと進化を遂げた。
ビッグバンパー911は、これまであまり人気がなかったが、現在では人気がどんどん高まっている。ポルシェの殿堂にその名を刻む勢いだ。
ポルシェはレギュレーションの許容限度ギリギリのところで935を作った。それは許せないやり方だったかもしれないが、華々しい結果を残したスポーツカーだった。
究極のドライバーが選ぶ911には憧れのRSエンブレムが不可欠だろう。RSでレースを戦い、またロードテストをこなしているトニー・ドロンが、それぞれのRSを一気乗りして比較する。
レースでの活躍を抜きにしてポルシェの成功は語れない。中でも956はもっとも成功したポルシェ・レーシングカーのひとつといえるだろう。そのレジェンドといわれるゆえんをデレック・ベルの言葉を織り交ぜながら語っていこう。
砂漠を制覇したポルシェのパリ-ダカール仕様959。それを、公道で走らせてみたらどんな感じなのだろうか。
1980年代末、ハイテク満載のポルシェ959が登場すると、フェラーリF40は途端に野蛮で時代遅れのスーパーカーのようにみなされてしまった。しかしながら今、"モダンクラシック"となった2台は、そのパフォーマンスのみならず、実用性や価値という点でどのように評価されるべきだろうか?