2018年1月12日、幕張メッセでは、カーコレクターを対象としたBH Auctionがオートサロン会場内で初開催された。本記事ではその模様をお届けしよう。(オートサロン2018についての記事はこちらから)
オートサロンは初日からたくさんの人が足を運び賑わいを見せる中、一際の注目を浴びたのがこの東京オートサロン・オークション with BH Auctionだった。世界的広がりを見せるコレクタブルカー・オークションにおいて、日本らしい価値と共に、世界へと発信することをモットーとした新しいオークションがBH Auctionだ。国内外の希少車がレッドカーペットの上に展示され行われ、国内のみならず、欧米からもビッダーが参加し賑わいをみせた。
1968 Honda S800
S500に始まったホンダFRスポーツの最終モデルがこのS800だ。791ccの直4DOHCエンジンが搭載され、最高出力は70ps、最大トルク6.7kgmを6000rpmで発揮できる。フレームナンバーとエンジン&ミッションナンバーが合致する個体をベースに、ボディ、シャシー、サスペンション、ブレーキと、数年もの歳月をかけてフルレストアが施されている。こちらの車輛は、850万円で落札された。
1969 Toyota Sports 800 "UP5"
1965年に発売されたライトウエイトFRスポーツ、通称ヨタハチ。モノコックボディを採用し、徹底的な軽量化と空力性能を突き詰めたモデルだ。
790cc空冷水平対向2気筒OHVエンジンを搭載し、スペックでは最高出力45ps、最大トルクは6.8kgmを3800rpmで発揮する。パワーで差をつけるマシンではないが、車重はわずか580kgに抑えられ、空気抵抗係数も当時の国産車では他に類を見ない0.35を達成したことで、当時はサーキットでもその姿が良く見られた。こちらの車輛は、860万円で落札された。
1967 Datsun Fairlady 2000 "SR311"
1967年の4月から11月の間に生産された、希少な最初期型SR311型フェアレディ2000。生産台数がわずか640台にとどまる。オープン2シーターボディに、2リッター直4SOHCが装備され、最高出力は145ps、最大トルクは4000rpm時18.0kgmを誇った。
シャシーとボディをしっかりとつくり直す入念なフルレストアが実施されてあり、内装も純正同様の仕上げとされる。落札価格は1050万円となった。
1990 Nissan R90CK
世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)用に、英国を拠点とするNMEが、ローラ・カーズと共同で開発したのが、このR90CKである。直線重視だった前モデルのR89Cとは違い、ホイールの大型化など、テクニカルコースを意識した改良が施された。エンジンは、3496cc V8DOHCツインターボの日産VRH35Zを搭載。1990年のル・マンでは、日本車として史上初となるル・マンでのポールポジションを獲得している。
計7台が作られたといわれるR90CKだが、この個体のシャシーナンバーはR90C/5。NMEにデリバリーされ、90年のWSPCを闘った個体である。ル・マンでポールポジションを獲得したのもこの個体であるとの証言もあり、落札価格は、1億7300万円となった。
1972 De Tomaso Pantera Group 4
レーシングカーとスーポーツカーをメインとしたコンストラクターであるデ・トマソ社。その3作目が、このパンテーラである。60年代のフォードGT40の構造的な特徴を踏襲し、ボディはイタリアのギア社がデザインを担当、エンジンはフォード製のアメリカンV8(351クリーヴランド)が搭載されており、アメリカの技術とイタリアのデザインが融合したスーパーカーであると言える。
シャシーNo. THPNMR 02874のこの個体は、1977年に「全日本スーパーカー選手権大会」に参戦するためイタリアから日本に輸入されたヒストリーを持つ。その後、ロードゴーイング仕様として日本の車検に対応するためのモディファイが加えられ、現在に至る。落札価格は、3300万円となった。
1996 Datsun 240Z "Vintage Z"
コストパフォーマンスに優れたスポーツカーとして、北米市場でも絶大な人気を誇ったS30型初代フェアレディZ。1996年に北米でZ32型が販売中止になったことを機に、北米日産が純正パーツを集めて240Zをレストアし、限定販売するプロジェクトが行われた。それが"ビンテージZ"である。
プロジェクトの生産台数は、当初200台を予定していたものの、レストア作業に要するコスト面から生産台数はわずか37台に留まった。(Internet Z Car Club調べ) 日本には、少なくとも3台のビンテージZの存在が確認されており、その内の2台が約20年にわたってガレージ保管されていた末、今回のオークションでの出品に至った。落札価格は、イエローの個体(シャシーNo. HLS30−05811)が1200万円、シルバーの個体(シャシーNo. HLS30-56609)が900万円となった。
1967 Toyota 2000GT
国産コレクタブル・カーの代表格とも言えるトヨタ2000GT。ロングノーズ、ショートデッキのアイコニックなスタイリングと共に、2リッター直6型エンジンが搭載され、最高出力は150ps、最大トルクは18.0kgmを5000rpmで発揮する。
生産台数は国内向けの前期型が110台、後期型が108台の計218台で、海外向けが102台とされている。
シャシーNo. MF10-10469のこの個体は、内外装ともに忠実なレストアが実施されており、落札価格は7600万円となった。
オークションは初日のみの開催だが、オートサロン2018は1月12日から1月14日まで開催される。是非足を運んでみてはいかがだろうか?
オートサロン2018
開催期間:1月12日~1月14日
開催場所:幕張メッセ
公式URL:http://www.tokyoautosalon.jp/2018/
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