六本木にあるカーグッズの老舗「ル・ガラージュ」が厳選した自動車を愛するオクタン読者の心をくすぐる逸品たち。今号はル・ガラージュが提案する「男の隠れ家」をご紹介。
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次の時代は自分のために
昭和のそれと比べると、最近の一戸建ての間取りに見当たらない部屋が2つある。一つは応接間、もう一つは書斎だ。応接間は洋室化の流れの中で広いリビングに吸収され、書斎は父親の権威の衰えと歩調を合わせるように収納スペースとの争いに敗れた。
しかしマンションなら3LDK、一戸建てでも4LDKという現代の都市部で標準的な間取りは、子育て時代に最適化されたものだ。だから子供たちが独り立ちしたら「次の時代」の自分のためのスペースを確保した方がいい。
リフォーム屋に言わせると「次の時代」のために望ましいことは、段差をなくしたバリアフリーだったり、ヒートショックを防ぐための断熱の強化だったりするのだけれど、それはおそらくもっと先を見据えた話であって、まだまだ「やりたいこと」も「やりたい気持ち」も
ある間は、自分だけの時間を過ごすスペースこそ必要ではないだろうか。
筆者の父親はサラリーマン人生の後半戦に子会社の社長に転じてから、子供部屋の一つを書斎代わりにして突如小説を書き始めた。たまたま(というと父は怒るだろうが)、それがスマッシュヒットとなり、彼の「次の時代」が始まった。会社を定年退職した後も、書斎で膨大な資料に囲まれながら物書きとして過ごした父は、たぶん幸せな生き方をしたのだと思う。
父が亡くなってからすでに10年以上が経つが、実家の書斎はそのまま残っている。たくさんの資料と古ぼけたパソコンが鎮座するその部屋に入ると、生き様を感じる、というほど大げさなものではないにしても、彼の思考回路の一部とシンクロするような気分にはなる。父親とは会話らしい会話をした記憶がない息子にとって、それはいまだに好ましい時間なのである。
今回、ル・ガラージュが提案する「隠れ家」には、自動車を愛する男が「次の時代」を過ごすための心地よい空間のヒントがある。使わなくなった子供部屋でも、ガレージの片隅でもいい。そろそろ自分のための時間を過ごす準備をしてみてはいかがだろう。
男の隠れ家の作り方
今回、撮影のため一瞬だけ店内の一角に誕生した「男の隠れ家」。写っている小物たちはすべてル・ガラージュならではの「こだわりの逸品」たちだ。
【HH Nitscheのメタルモデルカー】
実はドイツで今も販売されているメタル製のモデルカー。少しデフォルメされた独特なモデリングが特徴。(「Rennwagen」:8640円・写真左/「Bugatti T35C」:1万260円・写真右)
【1960年代のヘレボーレのウッドステアリングとサーキットオブジェ】
貴重な1960年代のアルファロメオ用のヘレボーレ製オリジナルウッドステアリング。下はイタリアGPでお馴染みの、モンツァサーキットを形どった木製サーキットオブジェ。鈴鹿やモナコなどもあり。(ウッドステアリング: 7万9920円、35.5cm)(サーキットオブジェ:5万2920円、モンツァ)
【ION Audioの Mustang LP 4 in 1ミュージックプレイヤー BK】
65年型 Ford Mustangのインパネを再現したクラシックなボディに、アナログレコードプレーヤー、AM/FMラジオ、USBメモリ、AUX 外部入力で楽しめる再生機能と、USBメモリ録音機能を搭載した4イン1ミュージックプレーヤー。ステレオスピーカーを内蔵し、ヘッドホン端子も装備。他に赤もあり。(2万9800円)
【METALSISTEM】
店内で使用されているイタリアのシステム収納ラック。スチールに亜鉛メッキがほどこされ男性的で無骨な雰囲気を放つ。(127.7×H157.6cm 4段、取寄せ品:2万3220円から)
【Stand21ル・ガラージュ別注レザーバッグ】
レーシングスーツで名高いスタンド21のトラベルバッグ。「Stand21」と「LE GARAGE」の刺繍ロゴが入った限定版。
(レッド:5万8000円)
【サインプレート 1000MIGLIA】
ドイツから取り寄せたホーロー製のサインプレート。レプリカながらずっしりとした重さとツヤ感がヴィンテージの雰囲気。(1万4040円)
【Mobil Oil サインプレート】
ペガサスマークが懐かしいMobil Oilの大きめなアンティーク・サインプレート。ダメージ、サビ、色あせなどが雰囲気作りにひと役。(アンティーク品・20万5200円)
【ガラスオイルボトル Esso】
ガラスのボディに金属製のノズルが付いたアンティーク・オイルボトル。ボディには立体的に加工されたEssoの文字が浮かぶ。(アンティーク品・3万5640円)
シミュレーターは2018年3月25日までの限定。レーシングギアのフェアも開催中だ。
是非、この機会にル・ガラージュに足を運んでいただきたい。
文:馬弓良輔 写真:芳賀元昌 Words:Yoshisuke MAYUMI Photography : Gensho HAGA
ル・ガラージュ
東京都港区六本木5-17-1AXIS ビル1F
TEL:03-3587-2785
営業時間 11:00〜19:00
www.legarage.jp
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