Atlantic Cars ~車だけにとらわれるのではなく 刺激的な人生のための"ハブ"でありたい~

英アストンマーティン社の正規輸入元および正規ディーラーとして大きな役割を果たしてきたアトランティックカーズが、まったく新しいスタイルのショールームへと転換中だ。その狙いと今後のビジョンを、同社代表取締役・野澤隆之氏に聞いた。

a.jpg
向かって左から株式会社アトランティックカーズ代表取締役 野澤隆之氏、同社グループマーケティング・広報部マネージャー浦野美波氏、同社マーチャンダイズマネージャー高田侑典氏。

これまで、多くの自動車愛好家の頭には「アトランティックカーズといえばアストンマーティン」との図式が強く刻み込まれていたかと思う。しかし23 年にわたり続いてきた英アストンマーティン社とアトランティックカーズとの日本におけるディーラー契約は、2017 年3月31日をもって満了。今後のアトランティックカーズは、どのような形の"新生アトランティックカーズ"となっていくのだろうか?

「 一般的な車屋さんにとっての"終わり"が、我々にとっては"始まり"なんですよ」

 それはどういう意味か? と尋ねる記者に、野澤社長は続けた。

「 普通、車屋さんっていうのは車を売って、アフターサービスをして、それで終わりじゃないですか? でも本当に刺激に満ちた生活って、むしろそこが"始まり"であるはずなんですよ。単に車を買ってガレージで眺めて、たまに乗って......というのではなく、刺激的なライフスタイル全般、例えば上質な家具やインテリア、アート、マリンスポーツ、海際の生活......などの多方向に興味を持ったほうが、人生というのは断然楽しくなります。新しい我々アトランティックカーズは車だけでなく、そういった刺激的な人生全般を送るきっかけとなる"ハブ"になれたらなと考えているのです」

具体的には?

「ご覧の通り、ヴィンテージアストンマーティンを販売します。弊社サービスファクトリーでのメンテナンスやレストレーションも、自信を持って今まで通り行っています。そしてそれに加えて、先ほど申し上げました"刺激的な人生を送るためのあれこれ" を、ここ麻布台のショールームでご提示しています。と言いましても、例えば『海際の住宅や船』を置くだけのスペースはありませんので(笑)、アート作品やオブジェに限られますが」

置かれている家具やアートはすべて、野澤社長自身がヨーロッパで買い付けてきたものだという。

「 自分が本当に気に入った物、『これはいいぞ!』と本気で思える物以外はお勧めしたくないですからね。言い方を変えますと、私は何でも徹底的に"ユーザー目線" なんですよ。こういったタイプのショールームがあったらいいなと前から思っていたのですが、誰も作らないから、仕方なく自分で作った(笑)。自動車ビジネスにしてもそうですよ。こういう言い方は誤解を招くかもしれませんが、私がいちユーザーだった時代、心底満足できる車屋さんってどこにもなかったんです。で、『ないなら自分で作るか』と思って関わり始めたのがアトランティックカーズですからね」

ディーラービジネスではない新生アトランティックカーズは、さしあたり「ヴィンテージアストンマーティン」「住宅」「家具」「インテリア」「アート」「船」「海際のライフスタイル」「ガレージライフ」を軸にビジネスを、というか前述のとおり"ハブ"となるための諸活動を展開していくという。特に「海際のライフスタイル」は、アトランティックカーズの母体に「安田造船所」があるからこそ可能な、かなり素敵な提案だ。その詳細は、同造船所のCEOでもある野澤氏に尋ねてみていただきたい。「すでにある程度完成している新ショールームですが、展示する車のラインナップも含めてさらなる完成度となった頃に......そうですね、おそらくは5月頃、お客様にはご案内をさせていただきます。それまで、あと少しだけお待ちくださいね」

最高にダンディな笑顔で、野澤社長は最後にそう予告した。

b.jpg

ライフスタイル商品全般への注力を開始したアトランティックカーズだが、ヴィンテージアストンマーティンの販売とメンテナンス、レストアも引き続き行う。写真は今年1月に入荷したDB6。かなりの良コンディションだが、細部は今後、さらなる"アトランティッククオリティ"へと仕上げていくという。

c.jpg

野澤社長自身がヨーロッパを歴訪し、その美意識にかなったものだけを仕入れてきた数々のアート作品とオブジェ。お世辞はいっさい抜きで、その審美眼の高さには恐れ入る。ちなみに写真の作品多数が置かれている巨大な一枚板のテーブルも、新生アトランティックカーズの商品のひとつ。

d.jpg

こちらはルイ・ヴィトンのアンティーク・トランク3点と、その間にあるのは英国製のヴィンテージな木製トランクケース。旅行に使うのはもちろんのこと、このウッド・トランクケースなどは家具として使ってみても面白いかもしれない。

e.jpg

文:谷津正行 Words:Masayuki TANITSU 写真:尾形和美 Photography:Kazumi OGATA

アトランティックコレクション
住所: 〒106-0041 東京都港区麻布台3丁目5番5号
TEL: 03-3583-8611 FAX:03-3583-8613
営業時間::9:30 〜 18:00 定休日:無休 
※年末年始・夏季休業を除く
URL:http://atlantic-c.jp/

タグ:
無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事