カーグッズのセレクトショップ「ル・ガラージュ」が薦める いまどき自動車グッズ紹介

他では見かけないマニアックなアパレルや洗車 グッズなどが揃うことで知られるル・ガラージュ だが、よくよく店内を見渡すとめずらしいアンテ ィーク品が数多く飾られていることにも気付くだろう。

(8).png写真左側のシェルの給油機はドイツで使用されていたもの。1958年オーストリアのSchwelm-Strager製(155万円)。

もう20年も前から年に数回、店長の林さん自らドイツを中心にヨーロッパのマーケットや コレクター、ブローカーを回り、それらを仕入れているのだという。さすがに20年続けていると様々なルートから 掘り出し物の話が舞い込むようで、しかもそういったルートのものは、インターネットオークションではいまだに見かけないものも多く、ついつい買い込んでしまうのだとか。

ちょうど今の時期は春に仕入れたアンティークグッズが長い船旅を終えて届くタイミングだそうで、いつにも増して品揃えが充実している。

今回の目玉はガソリンスタンドでおなじみの給油機。見ての通りクラシカルなタイプだ。

(9).png奥に見えるESSOの給油機は英国で使用されていた。1937年アメリカのBOWSER製。文字や装飾がアールデコ調で非常に珍しい一品だ (170万円)。手前のGULFの給油機は欧州のどこかで使用されていたもの。1969年 オーストリアのTorkheim社製(145万円)。

正直、日本だと博物館のディスプレー以外に用途が思い浮かばないコレを3台も仕入れるなんてル・ガラ ージュらしい。しかしヨーロッパでは給油機専門のレストア業者が複数存在するほどコレクターズ ニーズがあるのだという。この数年はクラシックカーの価格高騰に連動するように、給油機も当時モノの価格が上がってしまったためレプリカまで登場する事態となっているそうだ。

ちなみに今日のガソリンスタンドの原型は1920年代にシェルがアメリカで確立した。その当時の給油機は混ざり物がないことを証明するため上部のブランドマークの下にガソリンが流れる 透明のガラス球があったという。イセッタの奥の方に写っている1937年製のESSOにはそれが見当たらないことから、わずか10年ほどでガソリンの流通品質が相当向上したことがわかる。  

今回の入荷品の中には給油機と同じブランドのオイル缶、ルノーやシトロエンのオイル缶、そしてジャガーやオースチンのロゴが入ったガソリン缶など、往年のガソリンスタンドを再現するための小道具たちも揃う。  

どこに飾るのか、なかなか想像力が試されるこのアンティークな給油機。ピンと来た方、ピンと来たい方(?)はお店を訪れてみてはいかがだろう。

スクリーンショット (11).png

■Le Garage(ル・ガラージュ)
〒106-0032 東京都港区六本木5-17-1 AXISビル1F     
TEL:03-3587-2785  
営業時間 11:00〜19:00 URL:www.legarage.jp

文:馬弓良輔 写真:芳賀元昌 
Words:Yoshisuke MAYUMI Photography : Gensho HAGA

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