フェラーリの神髄を知る「フェラーリ・ レーシング・デイズ 富士 2018」

「フェラーリとは何か」その神髄を知ることができる唯一無二の絶対的なイベントが、世界中の主要なサーキットで開催されている、このフェラーリ・レーシング・デイズである。フェラーリは、レース活動を続けるために市販車を製造販売したというユニークな成り立ちのメーカーであり、このイベントにはフェラーリオーナーやファンをより深くレースシーンに惹き込む、魅力的なコンテンツが溢れんばかりに用意されているのだ。

2018年6月30日、7月1日、週末の2日間、今年も日本におけるフェラーリ最大の祭典「フェラーリ・ レーシング・デイズ 富士 2018」が、静岡県小山町にある富士スピードウェイにて華々しく開催された。エンツォ・フェラーリ生誕120周年にあたる本年は、"Live Your Dreams"のテーマのもと、約500台ものフェラーリと約5,000人以上のフェラーリファンが会場全体を情熱の赤で埋め尽くした。そして、この素晴らしいイベントは、フェラーリ社内の専門組織「コルセ・クリエンティ」の専門スタッフと「フェラーリ・ジャパン」によって企画運営されている。

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具体的な内容を紹介しよう。まずは展示車両について。日本で初めて披露されるFerrari 488 Pistaがピットビルディング3階に配された。488GTBに比べ90㎏も軽量化が図られ、しかも最高出力は50CVも高い720CVを発揮する。正にフェラーリV8スポーツカーの新たなベンチマークである。デザイン的にもF1由来のフロントSダクトやフロントディフューザー、フロート形状のドルフィンテールリアスポイラーが実に新しい。

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1階ピットの展示コーナーでは、フェラーリ・イン・ジャパン50周年記念特別限定モデルFerrari J50を観ることできた。488 Spiderをベースに完全新設計のボディワークをもつ、日本限定10台の特別なスポーツカーである。またフェラーリのレストア部門「クラシケ」が認証した2台のクラシックカーを展示。美麗な1957年250GT Berlinetta TdFと1965年275GT Berlinettaは、クラシックカーマニアならずとも、思わず立ち尽くすほどのオーラを発していた。

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パドックではLa FerrariやEnzo Ferrari、F40、288GTOなど、フェラーリのアイコンと呼ぶべき高貴なレジェンドカーを、あらゆるアングルからじっくりと眺めることができる実に贅沢な空間が用意されていた。

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サーキットに目を向けてみよう。まずは世代を超えた様々なフェラーリが一同に介するスーパーカー・パレードが行われる。そしてワンメイクレースの最高峰とも呼べるフェラーリ・チャレンジ・アジア・パシフィックシリーズも見所が多い。フェラーリ・チャレンジ自体は初開催が1993年であり、すでに26年もの歴史をもつ。2011年から開催されるアジア・パシフィック戦には、正しいテクニックを習得した国内外のジェントルメン・ドライバーが数多く参加してきている。

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FXX Kや599XXといったサーキット専用マシンのピットストップは、本番レースそのもののようだった。この「XXプログラム」は、他ではまったく観ることができない特別なもの。このマシンのオーナーは有資格のインストラクターとプロドライバーのサポートを受けながらFIA公認のサーキットを走ることで、そのデータをフェラーリのエンジニアと情報を共有。これにより事実上マラネッロのテストドライバーと同様、XXモデルの改善、およびフェラーリのスポーツモデルのソリューションに寄与する可能性があるという。

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さらに本格的なレースシーンを好むファンのために、8台ものフェラーリF1マシンが集まっていた。これは実際に見なければ想像すらできない奇跡のような企画である。「F1クリエンティ」がスクーデリア・フェラーリで使用されなくなったF1マシンに最新の安全装備を搭載し、オーナー自らハンドルを握って走行できるフェラリスタ夢のプログラム!

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ピットに轟き渡るブリッピングサウンド、そしてストレートではグランドスタンドに共鳴するエキゾーストサウンド。F1-89、412-T2、F2004、F2005、F2007、F2008、F10、F150°イタリア......。J・アレジやM・シューマッハ、F・マッサ、F・アロンソといった名パイロットたちが実戦で使用した価値あるマシンばかり。これらはすべて日本のオーナーが所有するマシンであり、さらに言えば日本にはトータル約20台ものフェラーリF1マシンが、コレクターのもとで大切に保管されているという。

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「コルセ・クリエンティ」の責任者であるアントネロ・コレッタ氏にインタビューする機会を得た。現在60名以上のスタッフが在籍し、世界で約300台もの車両を管理しているというが、その徹底したサポート体制の秀逸さは、すべての車の状態やオーナーへの微細な対応を観れば自ずと理解ができる。XXカー購入者のほとんどはチャレンジシリーズへの参戦経験者であり、ジェントルメン・ドライバーであるオーナーのドライビングテクニック習熟レベルに沿って、XXカーからF1、最終的にはWEC(FIA世界耐久選手権)までのプログラムが用意されているのだ。

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フェラーリは長きに渡りレース界の頂点を戦ってきたスポーツカーのトップブランド。そのレーシングスピリッツが根底にあるからこそ現在のフェラーリのロードカーが存在し、そしてその実力を日常でも味わうことができる信頼性は、ここから生まれていることを再認識した。

F1さえドライバーの楽しみとしてカスタマーに提供しようというパワーには驚かされる。昨年よりも一層コンテンツの深みを増したフェラーリ・レーシング・デイズ。スポーツカーの本当の価値を確かめることのできる、白日夢のような時間であったことは間違いない。

フェラーリ・ジャパン https://www.ferrari.com/ja-JP

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