蒐集するなら今!フランスの正月菓子ガレット・デ・ロワのおまけ「フェーブ」

ブガッティのセット(表) マニアックな選択による10台のブガッティ。内訳は、T32タンク、T40クーペ、T40カブリオレ、T41ロワイヤル(パークウォードボディ)、T46、T49、T51グランプリ、T53、T57ヴァントウ、そしてT59というセット。ブガッティ好きにはどれも涙ものながら、特にT32タンクとT53が選ばれているのはうれしい。

自動車関連のアンティーク商品を紹介する連載『AUTOMOBILIA』。今回は毎年1月の公現祭に欠かせない菓子、ガレット・デ・ロワに付属するフェーブについて。順を追って、まずは公現祭とは何か、から。

公現祭

公現祭とは、生まれたばかりのキリストの許に東方から3 人の博士が訪れ、キリストが神の子であると確認した故事による祭日。キリストの神性が公にされたことにちなんで、この名がついている。 ご存知のようにキリスト教には様々な祭事がある。

クリスマスやイースターと並んで公現祭も大切な節目のひとつ。12月25日に固定されているクリスマス同様、公現祭も毎年1月6日と決まっている。ただし、クリスマスと異なり公現祭は祝日でない場合がほとんど。そこで、公現祭を休日に祝いたいとのおもいから、最近では1月2日から8日の間の日曜日を公現祭にする地域がある。

このようにキリスト教には日付の決まっていない祭日も存在している。公現祭からは脱線するが、毎年日程が変わる代表例のひとつはイースターだろう。キリストは金曜に十字架にかけられ、日曜に復活したと言われている。決定までの詳細は省くが、復活祭の日曜日は、春分である3月21日より後の満月の日を過ぎて最初の日曜日と決められている。

たとえばニューヨークのモーターショー。他のモーターショー同様、ニューヨークショーもプレスデイの期間中は周辺の宿泊施設がおさえにくくなる。先々の予約をしようにも、ニューヨークショーは年によって会期が1ヶ月くらい前後する。これにはほとほと困りはてていたのだが、ニューヨークショーがイースターに開催されていることに気付いてから、円滑に宿泊施設の予約や出張日程の立案ができるようになった。ニューヨークショーに限らずイースターに開催される行事は、年によって日取りが異なるので要注意である。

ガレット・デ・ロワ

正月の第一週、フランス菓子店やパン屋で紙製の王冠が載った丸いパイが売られているのを目にした方もおられるだろう。フランスパンの老舗であるドンクや、ドンクから派生したビゴ、フランスから上陸してかなり日がたつフォションやPAUL、などの店頭に、正月早々、気の早い店ではクリスマスの後になると直径20センチから30センチくらいの、表面が葉のような模様で覆われたパイがでてくる。それがガレット・デ・ロワ;諸王の菓子、と名付けられた焼き菓子である。

ガレット・デ・ロワは、キリスト教の公現祭に欠かせない菓子、でありながら、ささやかな娯楽の仕掛けがある。ガレット・デ・ロワの内側はアーモンドクリームで満たされていて、そのなかに、昔はソラマメ、現在では小さな陶器がひとつだけ仕込まれている。切り分けた際、この小さな幸運の入っていた人がその日を王様として過ごす。このルーツは古代ローマ時代のくじ引きにまでさかのぼることができるらしく、古代ローマの風習と公現祭のお菓子が融合して、洒落た遊びに昇華されたもの。この幸運の陶器は、元々がソラマメだったことに因み、フランス語でそらまめを意味するフェーブと呼ばれている。

私が最初にガレット・デ・ロワを知ったのは尾山台にあるオーボンヴュータンというフランス菓子店で、1980年代初頭のことだった。

ちなみに、今から35年以上も前からガレット・デ・ロワをつくり続けているオーボンヴュータンの河田さんは、霞町の近くにあったル・スフレの永井さん、溜池にあるツッカベッカライ カヤヌマの栢沼さんらと同様、早くから欧州で修業した人。私が最も尊敬する菓子職人のひとりである。

フェーブ

さて、フェーブである。既に書いたように、元々はそらまめだったものが、その後、陶器や金属でつくられるようになった。

このフェーブにクルマのカタチをしたものがあることを、かなり後になって知った。おそらく、クルマのフェーブが登場したのは、せいぜいここ15 年から20年くらいのことではないかと思う。

アルピーヌやゴルディーニの著書で知られるドミニク・パスカルに「OBJETS DE L’AUTOMOBILE ACOLLECTIONNER 」というオートモビリア(自動車関連蒐集対象物)だけをとりあげた著作がある。発行されたのは1998 年。オートモビリアのジャンルについて、ほぼすべてが網羅されているこの本に、フェーブは出てこない。これがクルマのフェーブはまだ新しい、とする論拠のひとつである。

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