F1GPマシンからトライアルバイクまで!Honda Racing THANKS DAY 2018

2万4500人のファンが、数々のタイトル獲得を祝福すると同時に、年間の活躍を労った。


寒さが今季一番を記録した12月9日、栃木県は茂木町にあるツインリンクもてぎにおいてHonda Racing THANKS DAY(HRTD)2018が開催され、2万4500人のHondaファンやモータースポーツファンが集合。2018年シーズンのモータースポーツシーンにおけるHonda勢の活躍を労うとともに、タイトル獲得を祝福した。

国内モータースポーツのメジャーシリーズが終了したこの時期に、国内の自動車メーカーなどが、シーズンを通して応援してくれたファンに向けて行われる感謝祭は、この時期の風物詩になっている。そして今年もまた、11月最終週にトヨタ(TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL=TGRF)、12月第1週には日産/ニスモ(NISMO FESTIVAL in FUJI SPEEDWAY)が感謝祭を実施。ホンダ=HRTDと合わせて3週連続の開催となった。
3つの感謝祭の中で、歴史的にはNISMO FESTIVALが最も早く、1997年に第1回目が開催されている。その4年後にトヨタがTOYOTA MOTOR SPORT FESTIVALと銘打って感謝祭を始め、2011年からは現在のTGRFへと名称を変更、現在に至っている。ともに20年前後の長い歴史を誇っている感謝祭だ。一方HRTDは2008年開始。日産/ニスモやトヨタのそれに比べて歴史は浅いものの、ホンダならではの特徴=4輪だけでなく2輪も含めたモータースポーツ活動を展開している=を活かして、先輩の2イベントとは差別化が図られている。

当日は、早朝から様々なコンテンツが目白押し。先ずはロードコースを使っての同乗走行&サーキットサファリが実施されている。前者は文字通り、レーシングドライバーが運転するホンダの市販車の助手席でツインリンクもてぎのロードコースを体験走行するというもの。NSXとシビック・タイプRと、人気のスポーツモデルであることも人気を呼ぶ要因の一つだったようだ。一方後者はレーシングカーが走りまわっているレーシングコースを、大型バスに乗って周回するというコンテンツ。国内はもちろん、世界的にも関心の高まっているSUPER GTで始められたアトラクションの一つであり、レーシングカーをサファリパークの動物に見立てての命名だ。

このタイミングでウォームアップを終えたレーシングカーのうち、SUPER GTやスーパーフォーミュラ、あるいは2輪のロードレースやトライアルなどでタイトルを獲得した、いわゆる“チャンピオンマシン”が、オープニングセレモニーに備えてコースイン。スーパースピードウェイ(SSW)を1周パレードしてホームストレートに整列、ドライバー(とライダー)が赤絨毯の上を歩いてメインステージに進むという演出があった。これもウイナーズランと呼ばれるコンテンツのひとつで、その後参加ドライバーや監督全員が登場するオープニングセレモニーへと続いていく。オープニングセレモニーではまず、ホンダの八郷隆弘社長がスタンドのファンに向かって歓迎の挨拶。さらに選手を代表して、2001年のGP125デビュー以来、18シーズンにわたってホンダでロードレース世界選手権(現MotoGP)を戦ってきたダニ・ペドロサと、今年、SUPER GTとスーパーフォーミュラの2冠に輝いた山本尚貴の両選手が、スタンドのファンに向かって今シーズンの応援に謝辞を述べていた。

この後は、ツインリンクもてぎのロードコースやオーバルのSSW、あるいはカートコースを使って様々なイベントが行われた。カートコースではHonda Racing Kart Cupと銘打ったカートのエキシビジョンレースが開催されたが、それも2輪ライダーによる第1部と、4輪ドライバーによる第2部と“2部制”で行われている。特に第2部ではSUPER GTのGT500に参戦するレギュラードライバー10人に加え、F1ドライバーのピエール・ガスリー、IRLに参戦している佐藤琢磨、スーパーフォーミュラに参戦しているナレイン・カーティケヤンと松下信治、福住仁嶺、さらにFIA F2に参戦していた牧野任祐が参加していたが、抽選によってコンビを決めたために、例えばSUPER GTでチャンピオンに輝いた山本とジェンソン・バトンが、それぞれ普段とは違うパートナーと組んで争う、といったファンにも新鮮なシーンが数多く展開されることになった。

レースはポールからスタートした山本をバトンが逆転。バトンから交替した小暮卓史を、ピエール・ガスリーから交替した塚越広大が猛プッシュ。ここでも普段はコンビを組んでいる2人のバトルが繰り広げられていた。結局、このバトルでは塚越が競り勝ってトップチェッカー。昨年に続いて2連勝となった塚越はレース後のヒーローインタビューで「これであと3年はホンダの契約が続くと思います」とコメント、コースサイドに詰めかけたファンを沸かせていた。




この日のメインイベントはやはりSUPER GT Grand Final of Hondaと謳われたSUPER GT・GT500仕様のNSXによるエキシビジョンレース。これはHonda Racing Kart Cupと異なり、普段のSUPER GTレース通りのコンビで戦うのだが、レギュラーの5台に加えて研究所で車両開発に使われるテストカーが参戦。そのドライバーをF1ドライバーのピエール・ガスリーとIRLに参戦している佐藤琢磨のゴールデンコンビがドライブすることで一層の注目を集めることとなった。グリッドは事前の抽選で決まっており、2番手グリッドから佐藤が好ダッシュを見せてトップを奪ったが、そこからは“本職”であるGT500のレギュラードライバーが反撃。結局、山本からバトンへと繋いだ2018年のチャンピオンコンビが逆転でトップチェッカー。王者の意地を見せている。


この日最後のプログラムは全員参加のフィナーレ。ドライバーや監督全員がスタンド前に整列するのはオープニングセレモニーと同様だが、ここでは参加者が車両とともにオーバルのSSWをパレードランした後にスタンド前に愛機を並べ、全車が一斉にエンジンをブリッピング。暮れなずんだ冬空にホンダ・サウンドを響かせる趣向だ。その後、参加者全員が壇上に整列すると、今季限りで現役を引退することになった2輪ライダーのペドロサが参加者を代表してあいさつ。先ずはスタンドを埋めたファンに、長年の声援を感謝。さらに自分は引退するけれども来シーズンのHonda Racingの活躍にも引き続き声援してほしいと挨拶。HRTD2018を締めくくった。

文:ランブラス Words: Ramblas

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