ランボルギーニ・エスパーダと暮らして経験したおもしろい出来事の数々

1970年 ランボルギーニ・エスパーダ(Photography: Mark Dixon)

友人のリチャードと共に私が購入し、2年半ほど所有したランボルギーニ・エスパーダが新しいオーナーのもとに渡った。決して、エスパーダが扱いづらいから手放したというわけではない。何の車を購入したのかと聞いてくる知り合いが口を揃えて、"勇敢なことをしたね"と言ってくることにうんざりしたのだ。

実際に所有してみると、エスパーダは神経質な車でないことが分かる。フェルッチオ・ランボルギーニはトラクターを造るところからスタートしたことを忘れないでほしい。

エスパーダに関して後悔があるとすれば、充分に動かしてあげられなかったということだ。整備を施すために長い間、工場に入れたままだったのだ。そして、いざ動かせる状態に完成した途端、売ってほしいというオファーが来たのだ。



とはいえ、このエスパーダがしっかりと走れる1台であることが分かる程度には共にマイルを刻んだ。2014年のル・マンクラシックにも参戦した。

27年間クラシックカージャーナリストとして活動しているが、いかにエスパーダが路上で注目を集めるかということには驚いた。エスパーダで渋滞にはまっていたら、周りの車をよけてこちらに来た女性がいたのだ。そして、窓をノックしてきて"これは何ていう車か教えて!とても美しい車ね!"と言ってきたのだ。ある日には、ランボルギーニ好きの女子学生にガソリンスタンドまで連れ込まれたこともあった。

純粋にエスパーダが好きだから購入したが、結果として相場が上がっていたことでかなり高く売れた。"ランボルギーニを買うために家を売っている人がいる"と政府が皮肉を言っていたが、あながち間違いではない。




Words: Mark Dixon

オクタン日本版編集部

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