ジャガーの新しい出発点 "カー・ゼロ"|新型ライトウェイトへの挑戦

Photography: John Wycherley, Nick Dimbleby



グッドウッドにライトウェイト12号車を持ち込むなど、自身熱心な使い手のF1デザイナー、エイドリアン・ニューウェイは、セイヤーはドラッグに注目するあまり、ダウンフォースの改善を見逃したのではないかと推測する。「ライトウェイトがGTOに負ける部分はおそらくエアロダイナミクスだろう。フェラーリはノーズが低く浮き上がりを軽減するし、リアにはスポイラーもある」

当時両方の車で戦ったジョン・サーティースはこう証言する「GTOは特筆すべきよいところはなにもないが、すべてがよい。そうして、それこそがフェラーリの長所なのだ。すべてが予測可能で信頼でき、比較的ドライブが簡単。ジャガーは、対照的にサスペンションの変化に敏感すぎ、残念なことに常に信頼に足るとはいえなかった」

だが、それにも関わらずライトウェイトは常に入賞を果たしており、またそれらの何台かは現在でも現役でレースに参加し続けている。このことには常に貴重な車両の損失という危険が伴うが、それでも12台生産されたうちの11台が生き残っている。そしてその台数は今後増加が見込まれることになったのだ。


ライトウェイトがあるべき本来の場所、レーストラック。レースのために造られたモデルなので、公道での使用のために登録できるかどうかは定かではない。だが方法はあるものだ


新型ライトウェイトには、太いコンペティション用ではなくクラシックな細身のウッドリムステアリングが装着される。回転計のレッドゾーンは6000rpmからだが、マキシマムパワーは6500rpmで発揮する。


"カー・ゼロ"と6台のプロダクションモデルのエンジンはクロスウェイト&ガードナー社が供給する。RSパネルズ社は半世紀以上にわたってボディやモールディングを造り続けている


"カー・ゼロ"は他の6台と同じく、1963年にオリジナルライトウェイトが造られた、ここブラウンズレーンのジャガー旧本社コンペティション部門に隣接する工場で組み立てられた


エンジンは通常のXK用とは異なり、当初Dタイプのために造られたビッグバルブ、広角ヘッドの特製ユニットだ。340bhpエンジンが発生する高温に晒されて焼ける、別注のスティール製エグゾーストマニフォールド


最良の仕上げを行うため、コンセプトカーやショーカーを製作する設備で膨大な時間がかけられた。サイドとリアのウインドウは軽量化のため透明アクリル樹脂製


意図的に未塗装のまま残されたコクピット内部には、リベット留め構造がはっきり見える。リベット留めはアルミ溶接より簡単だったので、オリジナルライトウェイトで多用された


これは水銀と呼ばれる6色のスタンダードカラーのひとつだが、このクラスの商品なので、好みの特別色についてジャガーのチーフデザイナーと話し合うことも可能

2014 ライトウェイト ジャガー Eタイプ
エンジン:3868cc、直列6気筒DOHC、アルミブロック、アルミヘッド、ルーカス製機械式燃料噴射
またはウエバー45DCO3キャブレター×3基 最高出力:340bhp/6500rpm
最大トルク:280lb/4500rpm変速機:前進4段MT、Powr-lok製リミテッドスリップデファレンシャル
ステアリング:ラック・ピニオン

サスペンション(前):ダブルウイッシュボーン、トーションバー、アップレートダンパー、アンチロールバー
サスペンション(後):ドライブシャフトをアッパーリンクとする変形ダブルウイッシュボーン、ダブルコイルスプリング、アップレートダンパーブレーキ:四輪ディスク(後輪はインボード) 車両重量:1000kg性能・最高速度:165mph(ファイナルレシオによって異なる)0-60mph:7.5秒 (推定最終減速比3.9:1)

編集翻訳:小石原 耕作 Transcreation: Kosaku KOISHIHARA  Words: Mark Dixon 

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