ポルシェ930型を好きな理由│あなたはどちらを選ぶ?

この3台のポルシェは、1974年から1989年に製造されたポルシェ911の930型だ。アメリカ法規の5マイルバンパーを装備しており、"ビッグバンパー"と呼ばれている。通称"ナロー"の先代モデルより、魅力を持つ1台だと思う。その理由をお話ししよう。

ここにある美しい3台はすべて2万ポンドの値が付けられていたものだ。ゴールドのような見た目の1台はヘルブロンズ色の1983年 911SC、インディアレッドの1台は1975年 911S 2.7Lだ。"S"というのは"最も速い"ということを意味している。カレラモデルとは異なり、911Sはナローなリアボディーワークとアンフレアのアーチを持っている。930型のモデルには、911、911S、カレラ、911ターボがある。その中でも、ターボはマシンとしての性能の良さで特に人気だ。



はじめてこのビッグバンパーを見た日のことを覚えている。古くさい顔にまとまりのないテールを持った先代モデルよりも現代的で、洗練されていて、美しく艶がある印象を受けた。テールライトの間にあるレッドのリフレクティブには、大きく"PORSCHE"のロゴマークがデザインされている。これは以降の自動車デザインに大き影響を与えたといえるだろう。だから、930は今でも古びて見えないのだ。

時はものの見方を変える。昔は930を見てもアッとしたカエルの顔を思い浮かべることは無かったが、今ではそれが頭をよぎってしまう。新しいものが出てしまうと、それ以前のものは廃れて見えてしまったりするものだ。しかし、時々真逆のことが起きる。特に車においては。なぜならば初代モデルは、ファッション性やコスト、マーケティングが考慮されずにクリエイターの意図するままに造られているからだ。

このようなことがあるから、スレンダーなバンパーにテールライトの間にナンバーがあるデザインを持つ初代911には価値が見出されているのであろう。ローパワーのTモデルであっても4万ポンド以上の値が付けられているし、2.4Sモデルはその倍する。2.7RSに至っては金のような価値が付けられているのだ。



しかし、本当に初代911のほうが優れているのだろうか?私からすれば、もちろん、その答えはノーだ。ビッグバンパーモデルのほうが穏やかな顔をしているし、マシンとしての性能も素晴らしい。しかし40年近くが経ち、カスタマイズを自分たちで施すという新たな分野が成長した。930が持つポテンシャルを無視して、初代911に近づけようとする人がいるのだ。人気が上がっている初代911になど負けてはいられない。もし、初代911を買うとしてもそれ以前の356には乗れない、と思う時だけであってほしい。

Words: John Simister

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