ホコリを被った宝の山|フランス西部で見つかった「幻の自動車博物館」所蔵コレクション

発見された名車の数々



STAR OF THE SHOW
映画スター
さて、いよいよ今回の目玉、1961年のフェラーリ250GT SWBカリフォルニア・スパイダーの登場だ。うず高く積まれた古いフランスの自動車雑誌『L’Automobile』の下に埋もれていたため、その重さによってトランクリッドがへこんでいるものの、驚くほど保存状態がいい。これは、白いフェラーリに乗っていたロジェ・バイヨンの息子、ジャック・バイヨンが所有していた車だが、もともとはフランス人の俳優でありディレクターであったジェラール・ブランが購入し、その後、1963年にアラン・ドロンに売却した。アラン・ドロンはモンテカルロのナンバープレートをそのまま残した。そしてこの車は彼とジェーン・フォンダが共演した映画『危険がいっぱい』にも登場する。1971年にジャック・バイヨンの手元へ渡る前に3人が所有した。

「主要なオリジナルコンポーネンツがすべて揃った実にオーセンティックな車だ。イグニッションキー(右側に見える)が付いているうえに、オーナーズハンドブックや当時の地図も入っている。オークションにはこの状態を保ったままで出すつもりだ」と、アールキュリアルのマチュー・ラムーアが語ってくれた。




THE FINDERS
発見者
マチュー・ラムーア(写真左)とピエール・ノビコフは、アールキュリアルの自動車部門を率いている。 「私たちと同じようにこのコレクションに胸を躍らせてもらえると思っている。未だかつでないほどのコレクションだから」とラムールがいう。特にカリフォルニア・スパイダーは間違いないだろう。ともに出品される1956年のマセラティA6G2000グランスポーツも素晴らしい。バイヨンがこの車を購入したのは、1961年のことだ。ピエトロ・フルアがスタイリングを手掛けた4台のうちの1台だ。アロイボディは痛んでいて、フロントのバルクヘッドがないが、ほぼオリジナルの状態で、クラッチの交換が必要になった5年前までは走っていたという。



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編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)  原文翻訳:渡辺 千香子(CK Transcreations Ltd.) Translation:Chikako WATANABE (CK Transcreations Ltd.)  Words:Glen Waddington Photography:Matthew Howell

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