ファミリーで出かけるためのフェラーリとは?│フェラーリ・モンディアル

1980年に発表され、ある雑誌で"手に入りやすく、ファミリーカーとして使えるスーパーカー"と言われた車をご存知であろうか。その正体は、フェラーリ・モンディアルだ。"フェラーリのスーパーカーからスーパーを取った車"と皮肉も言われた。フェラーリの中では安価で手に入るモンディアルの魅力を再確認しよう。

モンディアルはモデルとしての定義が不透明だが、生活を共にするのに向いている実用性のあるフェラーリである。308GT4の後継として、同様にミッドマウンテン 3リッター V8エンジンを積み、ホイールベースは長くされたモンディアルが登場した。スタイリングはピニンファリーナによるもので、140mphのパワーで快適な2+2の車内を実現させた。

1993年に生産終了となり、合計で6800台が販売された。これはフェラーリ販売台数最高のモデルとなったのだ。モンディアルの存在によって、フェラーリの4シーターが広まり、フェラーリを身近な存在にさせた。

スタイリングに関しては二分化した意見がある。しかし、その実用性と手を出しやすい価格もあり再注目されている。1982年に登場したクアトロバルボーレは、240bhpのパワーを発揮する。1983年にはカブリオレが登場し、1985年には3.2リッターエンジンを搭載した。手にするならば、1982年から1988年の間で製造されたものが良いであろう。

1989年には、モンディアル tが登場。エンジンが3.4リッターにまで拡張され、縦置きから横置きへと変更された。ヘッドライトにも変更が加えられている。モンディアル tは、少し値が張るため余裕のある人向けだ。858台が製造されたうち、488台が現在でも実働している。セミオートマチック化されたが、逆にこれが今となってはメンテナンス費用が必要なものとなってしまっていて、初期型を好む人を多くさせている原因でもある。オープンゲートギアボックスは、特に寒い日には不調になってしまうため正しい扱いを学ぶ必要がある。

ザ・フェラーリという感じの車ではないが、走るのには充分楽しみを感じられる。サーキットを走るための車ではない。公道を走るためのフェラーリなのだ。ドライビングポジションは典型的なイタリアンスタイル。オフセットペダルには不便を感じるだろう。2+2GTではあるが、車内は広くなくバッグをリアシートに入れるのに苦労するかもしれない。しかし、もしモンディアルと共に生活することを悩んでいるのであれば、一度ドライブしてみることを強く薦める。

モンディアルヒストリー

1980: モンディアル 8 登場 2+2 クーペの214bhp、3.0リッター V8
1982: クアトロバルボーレ登場 240bhpまでパワーアップ
1983: カブリオレが追加 フェラーリ唯一のミッドエンジンを積んだ4シーターコンバーチブルモデル
1985: モンディアル 3.2 登場 270bhp
1989: モンディアル t クーペ、 カブリオレ登場 3.4リッターエンジンで、300bhp。セミオートマチックの"ヴァレオ"と、パワステがオプションに追加される
1993: モンディアル生産終了


フェラーリ モンディアル 3.2
エンジン型式:3185cc 32バルブ DOHC V8
最高出力:260bhp/7000rpm
最大トルク:213lb ft/5000rprm
トランスミッション:5段MT
ホイールベース:2650mm
車重:1430kg

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