ミウラ vs デイトナ|世紀のスーパーカー対決「ランボルギーニ vs フェラーリ」第1ラウンド

ミウラ vs デイトナ



Miura on the Road
低速域でのミウラは、軽さと繊細さが伝わってくる。ステアリングにはパワーアシストの備えはないが、車庫入れ時の切り返しでもまったく苦ではない。これは前輪荷重の少なさが影響しているのだろう。車のコンディションがよいこともあるが、ギアチェンジはスムーズでメカニカルな雰囲気がたまらない魅力だ。ペダル類はずっしりと重めだが、文句を言いたくなるレベルではない。

試乗したイギリスの田舎道では270km/h超の世界を垣間見ることはできないが、日常生活におけるミウラのポテンシャルを充分に満喫できた。V12エンジンのエグゾーストサウンドは、私の頭から今も離れない。特に3500rpm以上回すと心地よい爆音と振動に文字通り、心が震えた。

P400Sのパワーは公称値で最高出力370ps、最大トルク39.0kgmだ。現在でも力強い加速を披露してくれ、最新のVWゴルフGTIに負けなかった。最高速を試す機会はなかったが、空力的条件さえ整っていれば270km/h超も容易だろう。スロー・イン、ファスト・アウトという基本的なコーナリングセオリーさえ守っていれば、ハンドリング性能はネガティブな評価がされがちなミウラでもそれなりにワインディングを楽しめた。いや、むしろコーナリングマシンとしてのポテンシャルの高さに驚かされたというのが正直な感想だ。ただ、ミウラは路面状況に対してナーバスで、ドライバーは常にステアリング修正を強いられる。よくいえば車とのコミュニケーションが常にあるし、悪くいえばリラックスして運転はできない。本質的にドライバーズカーなのだから当然といえば当然かもしれないが…。


ミウラはランボルギーニ唯一の横置きV12エンジン。エンジンとトランスミッションのレイアウトは、オリジナルミニがヒントだという


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編集翻訳:古賀 貴司 Transcreation:Takashi KOGA Words:Keith Adams Photography:Matthew Howell

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