カウンタック vs BB|世紀のスーパーカー対決「ランボルギーニ vs フェラーリ」第2ラウンド

BB vs カウンタック(Photography:Matthew Howell)

フェラーリの牙城に勇猛果敢に挑戦していったランボルギーニ。オクタンはフェラーリとランボルギーニの代表的な4台のモデルを路上に引き出し、スーパーカー頂上対決2番勝負を試みた。

対決の第2ラウンドは、1970年代のスーパーカー界における二大巨頭、"カウンタック"と"BB"だ。別に優劣をつけることが目的ではなく、答えを探求してみることにした。

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個人的な話だが、まるで思い焦がれたヒロインと再会するかのように、前夜から年甲斐もなくときめいていた。私は昔から、どうもランボルギーニ・カウンタックという車に"弱い"。デビュー時、この世のものとは思えない斬新なスタイリングから受けた大きな衝撃は、今でも鮮明に覚えている。そんなカウンタックだけでなく、ライバルであったフェラーリのベルリネッタ・ボクサー(BB)にも試乗できる一日を前に、胸の高鳴りを抑えることは困難を極めた。唯一の不安はデビューから40年という歳月が"あの衝撃"を色褪せさせていないか、である。

そんな不安は杞憂に終わった。朝靄が晴れた秋空のなか、地を這うような佇まいのオレンジ色のランボルギーニ・カウンタックLP400は、デビュー時の筆者のときめきを即座に呼び起こした。直線基調ながら、なぜか流麗な姿に見える大胆なデザイン。異様なまでの存在感は今なお健在だ。カウンタックを前にすると、 BBが"普通の"スポーツカーに見えてしまう。

カウンタック LP400はとにかく美しい。1971年ジュネーヴ・ショーで姿を現した際のカウンタックの衝撃度たるや、計り知れないレベルだったに違いない。ミウラを手掛けて以来、ベルトーネのマルチェロ・ガンディーニは自動車デザイナーとしての自信を得ていた。カウンタックでは"奇襲攻撃的"なアプローチをして、周囲の期待値を大きく超える必要があった。そして、黄色い5リッターV12エンジンを縦置きミドシップしたプロトタイプは、狙い通りに期待値を超え、世界を震撼させた。

コンセプトカーがいくら格好がよくても、市販によって避けられない制約を受けて、スタイリングを損なっていくことは多々あるが、カウンタックはその美しさを市販モデルでも保った。エンジンの冷却のためにリアにエアダクトを2個、そしてサイドにNACAダクトを備えたほか、インストゥルメントパネル周辺のデジタル表示はアナログ化された。

後に自身のスーパーカーブランドを立ち上げたエンジニア、ビッザリーニが排気量を5リッターまでボアアップさせたV12エンジンは、市販化に当たって4リッターへと縮小された。このV12エンジンは6基のウェバー製ダウンドラフト・ツインキャブレターを備え、2個ずつの燃料ポンプと燃料タンクを備えていた。カウンタックLP400の美しいボディを構成していたのは鋼管スペースフレーム、アルミ、スティール、そしてFRPであった。



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編集翻訳:古賀 貴司 Transcreation:Takashi KOGA Words:Keith Adams 

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