カウンタック vs BB|世紀のスーパーカー対決「ランボルギーニ vs フェラーリ」第2ラウンド

BB vs カウンタック(Photography:Matthew Howell)



Boxer on the Road
カウンタックLP400の試乗後に512BBiに乗ると、なんと上品なことか。車内は狭いものの、上質さ、高級感が漲っている。燃料噴射装置、低扁平率のタイヤは自動車の走りを大きく変え、512BBiはそんな違いを思い知らされる一台だといえる。低速トルクはたっぷりあるし、エンジンは軽々と回り、スロットルレスポンスはシャープ。加速力にしても、カウンタックLP400とほぼ互角だ。

だが、カウンタックLP400と、年式の新しい512BBiを直接比較するのはフェアではない。欲張り以外の何物でもないのは承知しながら、あえて記しておくと、BBiは優等生ゆえにドラマチックではない。エンジンサウンドは低速域は控えめで、6500rpmのレッドゾーンに近づくと背筋を震わせてくれる。音楽的要素という点においては、ランボルギーニよりフェラーリに軍配が上がるだろう。

BBはシリーズを通して高い重心、スナップオーバーステア傾向にあるハンドリングなどが批判にさらされてきた。しかし、イギリスの片田舎で試乗した限りでは、ちょっとやそっとのことでスナップオーバーステアを味わうことはなかった。ドライな路面状況も手伝ったろうが十二分にグリップする走りに、前評判との違いを感じた。

クラッチはカウンタックLP400も重いが、512BBiも決して軽くはない。いずれのスーパーカーも体力を必要とする。クラッチを踏む、シフトノブを操作する、ステアリングホイールを操作するという基本作業がまるでジムで運動するかのような筋力を要求される。

試乗前日はなかなか寝付けなかったが、試乗後はぐっすり眠ることができた。身体的疲れももちろんあるが、なによりスーパーカーブームの立役者であり、レジェンドに乗ることができて緊張から解放されたこともあるだろう。

カウンタックは想像通りの名車であったし、やはりスターであることを確信した。BBは聞いていた前評判を覆す走りっぷりに驚き、感心させられた。


1982年フェラーリ512BBi
エンジン:4942cc、水平対向12気筒DOHC、ボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射装置
最高出力:340ps/6000rpm 最大トルク:46.0kgm/4200rpm 変速機:5段マニュアル、後輪駆動
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング、テレスコピックダンパー、アンチロールバー
サスペンション(後):ダブルウィッシュボーン、ツイン・コイルスプリング、テレスコピックダンパー、
アンチロールバー ブレーキ:ベンチレーテッドディスク 車両重量:1499kg 
性能:最高速度281km/h、0-96km/h加速5.7秒



1975年ランボルギーニ・カウンタックLP400
エンジン:3929cc、V型12気筒DOHC、ウェバー45DCOEキャブレター×6基
最高出力:375ps/8000rpm 最大トルク:36.8kgm/5500rpm 変速機:5段マニュアル、後輪駆動
サスペンション(前):ダブルウィッシュボーン、コイルスプリング、テレスコピックダンパー、アンチロールバー
サスペンション(後):ダブルウィッシュボーン、アッパーラテラルリンク、ロワーリバースド・ウィッシュボーン、
アッパー&ロワートレーリングアーム、ツイン・コイルスプリング、テレスコピックダンパー
ブレーキ:ベンチレーテッドディスク 車両重量:1200kg 
性能:最高速度281km/h、0-96km/h(96km/h)加速5.6秒

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編集翻訳:古賀 貴司 Transcreation:Takashi KOGA Words:Keith Adams 

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