あなたの知らないオートモビリアの世界|AUTOMOBILIA 第1回

オートモビリア



蒐集対象
自動車関係の蒐集対象品は多岐にわたっている。以下、ドミニク・パスカル氏が著したオートモビリアの本などを参考にしながら、いくつか代表的なジャンルにまとめてみた。

□書籍・カタログ
オートモビリアと聞いて最初に思い浮かぶのはクルマ関連の書籍やカタログである。毎年パリで開催されるレトロモビルでも、カタログや書籍を扱う店が軒を連ね、連日、多くの客で賑わっている。そもそも紙モノは蒐集対象になりやすい。戦前、加賀の前田侯も英国の日本大使館付武官だった時、著名人の署名入り原稿を熱心に蒐集していたと聞いたことがある。

□エンブレム・ピンバッチ
エンブレムやピンバッチもそれぞれオートモビリアとして独立したジャンルである。日本ではさして根付いていないようにみえるピンバッチも、世界規模では多くのファンを抱える分野のひとつになっている。特にフランクフルトショーでは、毎回ピンバッチだけを扱う個人ブースがいくつも出展していて、それらを見て回るだけでたのしいものである。

□絵画・彫刻
海外では、クルマを題材とした絵画や彫刻が少なくない。オートモビリアには美術・芸術的な響きもあり、絵画や彫刻は重要な分野のひとつである。ロンドンのメイフェア地区にはプルマンというオートモビリアだけを扱う店があるのだが、壁一面に掲げられた歴史的ポスターや絵画は壮観で見る者を圧倒する。

□ミニカー・スケールモデル
日本にもファンの多いミニカーやスケールモデルは、オートモビリアの中核をなすアイテムのひとつである。日本では玩具と総称されてしまうこともあるが、西洋では立派な大人の趣味として確立している。
英国の宰相で貴族中の貴族としても知られるチャーチルがミニカーを蒐集していたのは有名な話。

□部品
部品も時としてオートモビリアとなりうる。特に計器類やステアリングなどは蒐集家も多い。なかでもクルマに関連した時計は、すでにひとつのジャンルとして認められている感が強い。ラリーとホイヤー、ミッレミリアとショパール、ベントレーとブライトリング、のように、クルマと時計の結びつきには強固なものを感じる。

□モータースポーツ関連グッズ
チケット、パドックパス、プログラム、トロフィー、ヘルメットやレーシングスーツなどのドライバーが身につけたもの、マシンのパーツ、マシンに貼られていたステッカー等々、モータースポーツ関連のモノはオートモビリアにおける花形のひとつかもしれない。

と、ここまで書いてきて、日本には、まだ本格的なオートモビリアショップが少ないことに気がついた。日本にも幅広いオートモビリアのファンが増え、かつて青山にあった新居美術や神戸のアートアンドオートモビルのような店がふたたび現れることを願ってやまない。

文、写真:板谷熊太郎 Words and Photos: Kumataro ITAYA

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