ポルシェ911シリーズの8代目992型はどのように進化を遂げたのだろうか│朝日のもとで試乗してみた

これは8代目の911だ。型式は、991から992へと1つ数字が変わっただけであるが車としては完全に変化を遂げている。アルミニウムのボディに、刷新されたインテリア、8段 PDK ギアボックスを備えている。新型エンジンは、先代991のパワーを30bhp上回り、444bhpを発揮する。1963年の2.0リッターで130bhpの911を思うとどれほど進化してきたものであろうか...

ボディ自体は多少軽量化されているが、車重は55kg増えている。なぜだろうか?GPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)を搭載していることで15kg増えていることが大きいが、ギアボックスが重くなり、リアホイールが大きくなり、車高が少し高くなり...という理由がある。しかし、もちろんその車重に合った素晴らしいパフォーマンスを見せる。



ホッケンハイムリンクで992を眺めてみると、やはり大きく見える。と言っても、野暮ったいというわけではなくシャープなスタイリングだ。ボディワイド
は1852mmで先代と変わっていないが、992はフロント幅が45mm拡がっている。全長は先代より20mm長く、4519mmとなっている。ホイールベースも先代と変わらず2450mm。

インテリアに関しては、これまであった
センターコンソールが取り除かれ、フラットなダッシュボードデザインになっている。空冷エンジンを積んだ911を彷彿とさせ、タコメーターはアナログ式。スタート/ストップボタンではなく、ツインスイッチである。



911の源流と進化を感じながらホッケンハイムリンクを走行するのは、非常に心地よい時間であった。ステアリングとのフィット感も優れており、安定性も抜群だ。オプションのスポーツクロノパッケージでは、
PDKのシフトタイミングをなめらかに素早く、ローンチコントロールをサーキット向けのセッティングに変更し、
加速タイムを0.2秒削ることを実現させる。

最速で走っているときには、リアエンジンの重みを感じる。しかし、釣り合いの取れたパフォーマンスで充分にドライバーを満足させる1台であろう。992はこれまでの911よりもスポーツカーとして優れているし、GTカーとしても最高に進化を遂げていると言える。

Words: John Barker

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