ルイーズとピーター|フェラーリ所属のGPドライバーと舞台女優の美しくも儚い日々

Photographs: Louise King Collins Archive

たった1年半の短い間であったが、女優ルイーズ・キングはグランプリドライバーの妻として夢のような生活を満喫した。二人が送った日々をルイーズのアルバムで振り返る。

ルイーズ・キングは、1957年1月、レーシングドライバーと将来を誓い合った。夫の名はピーター・コリンズ。モナコのヨットハーバーで催された華燭の典は、フェラーリ所属のグランプリドライバーと、アメリカの美人女優のカップルに相応しい華やかなものだった。

だが、1958年8月3日、ドイツグランプリで発生した事故でコリンズが命を落とし、二人の幸せな生活に終止符が打たれた。

突然の悲しみからおよそ半世紀。私たちはフロリダの邸宅で穏やかな余生を送るルイーズを訪ねた。彼女は、満面に笑みをたたえ、ピーター・コリンズと過ごした日々を回想してくれた。

モータースポーツが縁になった
舞台女優として活動していたルイーズは、車にも興味を抱いていたという。

「ドナルド・ヒーレーと知り合って、1953年に彼の車を買ったの。平日は演技をし、それ以外の日には、趣味でSCCAのレースに出ていたわ。デニス・マクラゲッジ(訳註:女性レーシングドライバー、引退後はジャーナリスト、1927年生)と組んで、ボルボでマウンテンラリーに出たこともあったわね。レース仲間は面白い人ばかりで、まだ若いスティーブ・マックイーンがMGでレースしていたし、私はオースティン・ヒーレーで走って、そこで素晴らしい仲間ができたの。大きなコミュニティではなかったけれど、ある時スターリング・モスと知り合ったのよ。それがナッソーのレースウィークだったか、セブリングだったか忘れてしまったけれど、私たちは仲良くなって、彼を通してピーターと出会ったの」

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation: Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA Words: Massimo Delb. 

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