"ファイナル"の先にあるもの│40年以上の歴史に幕を閉じたJCCA NYM




コンクールデレガンス授賞車5台
写真左より:1964年 ホンダ S600,1964年 クーパー T72 F3,1969年 フェアレディ2000(SRL311),1966年 カローラ 1100DX,1966年 ミツビシ 2W-400


バラエティに富んだ車が選出された。全車に共通していることは、オーナーが大事に何十年も乗り続け、今でも毎日のように動かしているということ。さらに、これからも走れる限りはその車で走り続けたい、とオーナーが語っていることである。貴重な存在を残していくことへの称賛も込め、選ばれているのだ。エレガントさを審査する本来の"コンクールデレガンス"の基準とは異なるが、車とオーナーという最も大事な関係に重点を置いて審査が行われた。


審査員は、フリーランス・キュレーター伊東 和彦氏、モータージャーナリスト上野 和秀氏、モータージャーナリスト阪 和明氏、モータージャーナリスト藤原 彦雄氏が務めた。

審査員からは、"本当に今回が終わりだとは思っていないが、このイベントが幕を閉じることに対しての危機感をもっている"という声が発せられた。日本のクラシックカー文化発展に大きく貢献してきた歴史のあるイベントが終わってしまうということが意味するものは、その分野で日本が衰退してしまう可能性ではないだろうか。

若い人々はあまりイベントに参加しなくなっており、将来への車伝統が絶たれてしまう。直接自分の目で車を見られ、オーナーとも交流ができるのはこのようなイベントでしか経験できないことだ。実際の"場"がいかに大切なものであるのか、改めて考えなければならないし、この“場”に代わり歴史を受け継いでいく方法を考える必要があると感じざるを得なかった。

"ファイナル"ではあるが、次の世代への新たな何かを"スタート"させる時が来ているのではないだろうか。まずはイベントの復活を大いに期待したい。



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