錆びだらけの大きなクラシックカーの正体は?│ランチアかメルセデスなのか

一見、この錆びれた大きな車はレストア途中に悪天候の中に放置されたものだと思うだろう。しかし、よく見てみるとおかしなことを発見するのだ。ボンネットにはメルセデス・ベンツのバッヂが付いているのだが、そのボディは中期のランチアだ。

実のところはメルセデス 220(W187)がこの車の正体である。220は戦後初めて6気筒エンジンを搭載したモデルである。そしてこの車はカスタムコーチワークの、正真正銘ワンオフだ。およそ1万8500台の同モデルがクーペやカブリオレなどのスタイルで生産されたが、この1台のようにランチアのようなスタイリングを持つものは他にない。



1952年にベルギーへ渡り、主にベルギーとオランダ周辺で保管されてきていたと考えられている。しかし、なぜランチアB20のような姿をしているのだろうか?ある時、この車が事故を起こしてベンツが違うシャシーを受け取ったという意見と、ベルギーにコーチビルダーが存在していたからという2つの意見がある。

どちらにしろ、詳細な情報は何も残っていない。しかし、オランダ語で書かれた1968年のドキュメントには2ドアボディであることが記されている。1970年代に撮られたものであろう写真には、イエローのメルセデスが写っている。



見てわかるように、決して良いコンデションではない。パーツはガラスからギアボックスまでほとんどのものが無くなっている。エンジンはかろうじて、その場所にはある。

もし、状態の良いスタンダードなW187を求めているとしても、100万ポンドは必要だろう。ちなみに、この錆びれた車は2月7日に開催されるボナムスオークションに出展される。推定落札価格は13万ポンドであるが、復活させるまでに一体どれほどの莫大な費用がかかるのであろうか...

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