世界最速の自転車ママ! 最高速度、なんと296km/h!!

Photography: Matt Ben Stone


デニス・ミューラーが、ユタ州の塩原で183.9mph(296km/h)を叩き出し、世界最速の自転車乗りとなった。さて、どのようにして実現されたのだろう?通常は、エンジン付きの物凄いマシン達がしのぎを削る場所だが、もしそのエンジンが人間だったら?




2018年に、サンディエゴ出身の3人の子持ちのママ、デニス・ミューラー・コレネクがこの世界新記録を叩き出した。さすがにペダルをこぐだけではこの速さには到達しないため、ドラッグレース用の自動車に牽引させたのだ。ただし牽引されても、いくらテクニックとガッツがあっても、この記録は出せない。彼女はコーチのジョン・ハワードと共に特別な訓練を行った。このコーチは、彼女がティーンネイジャーの時代に自転車レースの世界に誘った人物だった。



デニス・ミューラーの記録は、実は「女性による記録」として「男性による記録」とは別のものとなっている。たとえそれが、男性による記録よりも30km/hも速かったとしてもだ。2年前に性別の記録を分けて登録されて以来、今後も分かれたままとなるようだ。彼女自身はまったく気にしていないようだが。彼女にとっては、その記録が男性によるものか、女性のものか、はたまた子どもによるものか、といったことはどうでもよい。とにかく、人々を元気にさせるため、人生というゲームを楽しむことが大事なのだ。





さて、今回使用された自転車は、いったいどんなものだったのだろう?デニス・ミューラーの自転車は、全長7フィートのKHS社製。2016年度の記録達成時のものから強化されており、ペダルひと漕ぎで塩原を130フィート(40メートル)も進む。90年代にフレッド・ロンペルバーグが使用したものがベースになっており、通常のカーボン製自転車の5倍ほどの強度がある上、そのバイク用タイヤとホイールは250mph(約400km/h)の速度が出せるように設計されている。

しかし、この日の5日後、リアハブの縁取りが完全に抜け落ち、リアホイールの片方がハブから完全に抜け落ちた。これらのことが走行中に起きていたら、最悪の事態となっていただろう。幸運にも生き残り、世界記録を残すことに成功したデニス・ミューラーは、記録更新を望むだろうか?



彼女によると、風洞テストを一切実施していなかったため、次回は必ず実施したいと言う。また、この記録だけのために6年間トレーニングを続けてきたので、しばらくは休みたいそうで、別の誰かが次のレベルを目指すのを応援したいとのこと。もう懲り懲りよと彼女が言ったとしても、仕方がないのかもしれない。

翻訳:東屋彦丸 Transcreation: Hicomaru AZUMAYA Words: Jack Elton-Walters 

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