神聖化された3台のアストンマーティン「DP」シリーズの一斉テストでわかった事実

Photography:Matthew Howell Period images courtesy Brian Joscelyne, Neil Corner and Paul Chudecki



実は1966年にほぼ全損になっていた。M1モーターウェイで若いアストンマーティン社員がテスト中に事故を起こしたのだという。その後エンジンとギアボックスなしで、スペアの214/215ボディとともにマルコム・カルバートに売られた。彼はDB6用パワートレーンを積んでリビルトしたらしいが、それはお粗末な仕事だったらしい。

1978年になってナイジェル・ダウズがそのアストンを手に入れ、11年を費やしてレストアした。1991年に完成した車には、米国で発見されたというインディ用クーパー・アストンの4.2リッター・ドライサンプユニットが積まれ、ナイジェルはDP215をロードカーとして使った後にトニー・スミスに売却、さらに2001年に現オーナーであるニール・コーナーが手に入れた。彼はヒストリック・レースカーのスペシャリストであるクロスウェイト&ガーディナーに、きわめて珍しいS532ギアボックス(6基しか作られなかった)の複製品製作を依頼した。この大仕事を成し遂げるには、見本としてのウォルフガングのDP212が大いに役立ったという。

サーキットで鞭を入れる
予報通りにシルバーストンに雨が降り出したが、それは10分ほどで上がった。最初はプロジェクト212である。コクピットはまさに仕事場という雰囲気で、すべては手が届く範囲にあり、主要なスイッチ(トグルスイッチはランカスター爆撃機のものを流用したという)は手際よく配置されている。文句ないドライビングポジションは1960年代の典型で、ウッドリムのステアリングホイールは垂直からほんの少し角度が付けられている。セミバケットシートは思ったよりも横方向のサポートがない。

編集翻訳:高平高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:Paul Chudecki 

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