手に届くアストンマーティン!? なぜか市場評価と質の高さが反比例するベストバリューな車種とは

アストンマーティンDB6サルーン

デイヴィッド・ブラウン時代のアストンマーティン。その中でもDB6はベストバリューであろう。ロバート・コウチャーがロンドンからDB6を走らせ、その魅力を探った。

メタリックゴールドの車を走らせるには、かなりの度胸が必要だ。しかしそのフォルムは実に美しい。DB4、5、6の3モデルをはじめとして、アストンマーティンはつねに魅力的な車だが、その多くはジェームズ・ボンドの映画で使用されたアストンの影響を受けて、お決まりのシルバーバーチに塗装されている。それゆえ、このオータムゴールドのボディは新鮮でひときわ目を引く。数多くの艶やかなパーツと、眩しい光を放つクロームのワイヤーホイールを履く1967年DB6Mk1サルーンの外観からは、精悍な印象が漂う。

典型的なアストンのフォルム、つまりスチール製のプラットフォームの上に構築した軽量のフレームにアルミ薄板を被せるという、トゥーリング社(ミラノ)のスーパーレッジェラ工法を採用したスタイルは、1958年に登場したDB4から採用された。

DB4はそのスタイリッシュなスタイリングと、タデック・マレック技師が設計した3.7リッターの総軽合金製ツインカム直列6気筒エンジンが発揮するパフォーマンスで、センセーションを巻き起こした。極めて稀少なDB4GTとDB4GTザガートは、アストンマーティンのコレクターにとって垂涎の的になっている。

1963年、DB4は4リッターへと拡大されたエンジンと 5段ギアボックスを搭載し、より高い出力を発揮するDB5へと進化を遂げた。DB5もまたレースに使われ、また007シリーズによって不動の人気を得た。

1965年にはDB5はDB6に進化した。それに先立つ1961年には、ジャガーがアストンDB4より遙かに手頃な価格のEタイプを発表している。Eタイプに搭載された6気筒ツインカムエンジンの出力はDB4と同程度であったが、軽量なボディと4輪独立懸架を採用したことで、機構面ではアストンマーティンに勝っていた。さらに1965年になると、Eタイプはフルシンクロメッシュ・トランスミッションと、4.2リッター・エンジンへとグレードアップした。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.)Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)  原文翻訳:渡辺 千香子(CK Transcreations Ltd.)Translation:Chikako WATANABE (CK Transcreations Ltd.)  Words:Robert Coucher Photography: Paul Harmer

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