手に届くアストンマーティン!? なぜか市場評価と質の高さが反比例するベストバリューな車種とは

アストンマーティンDB6サルーン



DB6に対する低い評価はおかしい
DB6は、Eタイプより遙かに格上で上質で、ゆったりとしたスペースを備えているものの、酷ないいかたをすれば、保守的で時代遅れであった。DB6で、高速安定性の向上を図ろうと「カムテール」を採用したが、これは一部のアストン・ファンには不評だった。DB6はホイールベースを2585mmに延長し、ルーフラインを高くして後席の居住性を向上させ、さらにパワーステアリングを採用するとともにまた、オプションとしてエアコンディショナーとオートマチック・トランスミッションの装備を可能にした。こうしてスポーツカーからグランツーリスモへと方向転換を図ったことにより、DB4やDB5のような華やかさは失われたが、DB6の販売台数は、DB4の1210台や DB5の1023台を上回り、7年間で1967台を販売した。

だが、DB6は、DB4やDB5と同程度のパフォーマンスを発揮するにもかかわらず、コレクターズカーとしての評価は低かった。その理由は、DB5と同一の機構を持つにもかかわらず、DB6は大きく重いという間違った通説が関係しているようだ。だがこれは真実ではない。確かにDB6はDB5よりも長くて高いが、1502kgのDB5より7.7kgしか重くはなく、DB4やDB5と変わらない速度で走る。「ファッション」や「移り変わり」の中で惑わされているに過ぎない。しかし、現実には、DB6はコンディションのよいDB5の半分の価格で手に入るのだから、これは絶好のチャンスといえよう。

アストンマーティンDBシリーズは、つねに品質に見合った価格で提供されてきており、1966年にDB6が発売されたときには約5000ポンドであった。中古車になるにつれ価格は低下したが、生産台数が少ないため、それは顕著ではなかった。職人の手仕事によって造られた複雑な機構のDBは錆に弱く、特に鋼板のプラットフォームは影響を受けやすかった。そして確実なレストアを施すには大変な費用を要する。初期の"マレック・エンジン"には問題があったが、DB6が発売されるまでには耐久性と信頼性ともに改善されていた。

ここでまた同じ疑問が浮かぶ。なぜDB6はDB5の半分の価値しかなのか、と。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.)Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.)  原文翻訳:渡辺 千香子(CK Transcreations Ltd.)Translation:Chikako WATANABE (CK Transcreations Ltd.)  Words:Robert Coucher Photography: Paul Harmer

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