伝説のバイクブランド モト・グッツィが生まれるまで│最新の1台はどう生まれ変わった?

現存するイタリア最古参のモーターサイクルブランド、モト・グッツィ。その始まりは無類のモーターサイクル好きであったカルロ・グッツィが、第1次世界大戦の勃発によりイタリア陸軍に召集された事であった。まもなく、創設されたばかりのイタリア空軍に配属となり、2人の青年と運命的な出会いを果たす。オートバイレーサーとして名の知れていたジョバンニ・ラベッリと、ジェノバの資産家の御曹司であったジョルジオ・パローディだ。

戦前からオートバイの製造修理工場であった鍛冶屋に出入りしていたカルロ・グッツィは、革新的なモーターサイクル作りについてアイデアを練っており、3人は戦火の合間にバイク作りについて語り合い、戦争が終わったらモーターサイクルメーカーを興そうと誓いあったのであった。




1921年に誕生したモト・グッツィ初の市販車、8HP Normale。最高出力8hp/3200rpmで、最高速度85km/hを実現したモーターサイクルには、グッツィのエンジニアとしてのこだわりが詰め込まれた対向2バルブエンジンが搭載され、徹底したオイル管理により高い耐久性を実現していた。同年3月、正式に会社組織としてのモト・グッツィが設立された。初期のプロトタイプが製造された工房を見下ろす、100坪程の場所に工場が建設され、10人程の従業員によってモーターサイクル大量生産の歴史がはじまった。


1930年代後半になると、イタリア国内で最も大規模なモーターサイクルメーカーとなり、700人の従業員を抱えるほどの規模になる。同時に、長きに渡って生産されることとなったシングルシリンダーの、ライトウェイトモーターサイクルPシリーズと500ccの大型車Vシリーズが発売された。 しかし、ジュリオ・セザール・カルカーノとカルロ・グッツィが率いるレース部門の開発費が負担となり、1957年、MOTO GUZZIの取締役会ではレースからの完全撤退を決議。



その後、カルカーノはミニバイク開発部門へと進むが、イタリア防衛省から3輪駆動車の開発に必要なエンジンの開発を委託され、ぶっぐツインエンジンを搭載した伝説のバイクV7が誕生する事となった。 このビッグエンジンと呼ばれる大排気量エンジンはフィアット500のスポーツモデルに採用される予定であったという。

そして、現在でも高いクオリティのバイクを生産し、モーターバイクファンから支持され続けているモト・グッツィより2019年新モデルが登場した。

こちらは、これまでの V7IIIストーンのダーク&ブラックのイメージをより強調する変更が施された1台。V7 III は、ABS システムと、無効にもできる新しい調整式 MGCT(モト・グッツィ・トラクション・コントロール)システムを装備しているモデルだ。前者は急ブレーキング時にホイールロックを防ぐ 2 チャンネルの Continental製システムで、後者は加速時にリアホイールのスピンを防ぐ。新しい MGCT システムは、感度レベルを 2 段階に調整可能。



新作のヘッドライトトリムはクロームからブラックに変更され、一方でフロントフェンダーはマットブラックからフューエルタンクと同色にペイントされる。シートには新しい MOTO GUZZI のロゴデザインが施されている。

加えて、V9 Bobber Sportも登場。V9 Bobber をベースとし、低く設定したシングルシートや、オーリンズ製ショックアブソーバー、更にはアルミ製スリップオンマフラーを標準で装着したスポーツカスタム。アグレッシブでスポーティーに仕上げられたスタイリングは、V9 Bobber の優れたハンドリング性能をさらに強調している。




V7 III STONE 2019
エンジン:4ストローク空冷90° V型2気筒 OHV 2バルブ
総排気量:744cc
最高出力:38 kW (52 HP) / 6200 rpm
最大トルク:60 Nm/4900 rpm
変速機:6速リターン
車重:209kg
本体価格:109万8000円



V9 Bobber Sport
エンジン:4ストローク 空冷90°V 型 2 気筒 OHV 2バルブ
総排気量:853cc
最高出力:40.44 kW (55 HP) / 6250 rpm
最大トルク:60 Nm/4900 rpm
変速機:6速リターン
車重:210kg
本体価格:
131万7600円

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