閉鎖する博物館から貴重なアメリカ車の数々がオークションに

アメリカのテューペロ自動車博物館が閉鎖することになり、1890~1990年代の自動車史を網羅する160台のコレクションがオークションに出品される。この博物館は、実業家のフランク・K・スペインが自身のコレクションを展示するために設立。スペインはオープンから4年後の2002年に死去した。

注目の車には、最初のテストで使用されたといわれる1948年タッカーや、1929年デューゼンバーグ・モデルJセダンがある。また、ベントレーやラゴンダ、イスパノ・スイザ、タルボ・ラーゴなど欧州の一流メーカーや、デロリアン、ブリックリンSV-1なども含む。特に興味深いのが20世紀初頭までのアメリカ車で、アパソン、カーターカー、ロージアといった今は亡き幻のメーカーが揃う。

テューペロで生まれたエルヴィス・プレスリーの車もある。ド派手な1976年リンカーン・コンチネンタルMkIVで、プレスリーが書いた133万8669ドルの小切手の写しが付属し、トレードマークだったTCB(Taking Care of Business)のロゴが窓に貼られている。コンサートで警備を指揮したデンバー警察のジェリー・ケネディのために購入したものだ。設立者の妻ジェーン・スペインは博物館閉鎖の理由をこう説明する。「夫の情熱を他のコレクターと共有するのが一番だと考え、コレクションを手放すという苦渋の決断に至りました。夫と同じように、車を入手し所有する楽しさを味わっていただければと思います」オークションハウス、ボナムスのルパート・バナーは、「素晴らしい車の宝庫で、自走式乗り物のパイオニアたちが選んだ様々な方法を見て取ることができます。規模といい幅といい、見事のひと言です」と話す。

コレクションは4月26~27日にボナムスのオークションに出品され、収益は教育に関する慈善財団に寄付される。

抄訳:木下 恵 Translation: Megumi KINOSHITA

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