ポール・スミスが語る「ローバー社とのコラボ」と「最愛のクラシック車との出合い」



オクタン日本版 ポール・スミス氏インタビュー
「アイデアの秘訣は、ものを見る眼を養うこと」

2016年春夏展示会のため10月に来日したポール・スミス氏に年齢を重ねてもエネルギッシュにアイデアが湧き続ける秘密をインタビューした。

文責:堀江史朗 写真:デレック槇島 Words:Shiro HORIE Photography: Derek MAKISHIMA119

前の週はロシア、その前はパリ。そして日本の次はロサンゼルスへ。文字通り世界を飛び回っているポール・スミス氏だが、年に2度は展示会のために日本を訪れている。今回の来日中に行われた早稲田大学での特別講演『ポール・スミスのインスピレーション』には約4000名もの聴衆が集まり、1回の講演予定が急遽2回に変更されたそうだ。その人気は日本でも相変わらずである。

「普段は300〜500名ぐらいの聴衆の前で話すことが多いから、今回の早稲田大学での講演会の熱気には圧倒されたよ。ほら、これを見て」と自らスマートフォンで壇上から客席を撮った写真を見せてくれた。創造力のヒントを若い世代に惜しみなく伝えたい、そして若い世代の反応からポール氏自身も新しいインスピレーションを得る。そういった行為をとても楽しんでいる姿が印象的だ。

彼にとっての日本の魅力を聞くと「秩序があり、多くの楽しみがあって、刺激を受けるところかな。文化、食、歴史、建築、家具、デザイン、すべてが素晴らしい」。「日本で好きな場所は直島、尾道、それから、金沢。尾道といえばサイクリングだね。ホテルもよかった。金沢の美術館や建築も大好きだ」と非常に詳細なコメントが返ってきた。そう、彼はかなりの日本通だ。「いつも慌ただしいスケジュールだから、最近はあまり行けないんだけどね。…彼女のせいで」と、傍らのスタッフを横目で見ながら声を潜める姿はなんともいえずユーモラス。おちゃめで気さくな人だと事前に聞いてはいたが、実際にお会いすると想像以上に愛嬌たっぷりの英国紳士である。

若い世代からも絶大な人気を誇るポール氏。どうしたらあんなにエネルギッシュにアイデアが湧いてくるのだろうか。同世代のオクタン読者諸氏への"元気の秘訣"と"アイデアが湧き続ける秘密"を伝授してもらった。

「元気すぎてごめんネ」とウィンクしておどけた後で、真顔になり「まずは健康でいること。そして、いろいろなものを、見て、眺めて、観察して、"眼"を鍛えること。オクタンの読者なら車はもちろん好きだと思いますが、それ以外にも芸術や音楽、食、建築、あらゆるものに興味を持ってください」

"Train your eyes"、日本語にすると"審美眼を鍛える"と訳せばいいだろうか。ただ見るだけはなく、じっと見る、観察する、探る。常に好奇心を持って世の中を見つめる。そうすることによって、ものを見る眼が養われ、インスピレーションが湧いてくるのだと語ってくれた。



Paul Smith SPACE
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-14 電話:03-5766-1788
営業時間:月〜金 12:00-20:00 土日・祝 11:00-20:00/休日:水曜不定

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