人前に出すべきでないクラシックの愛車?

Photo: James Elliott

2018年9月に開催されたコンクール・オブ・エレガンスでのオクタンツアーに向けて準備をしていたときのこと。共に参加するマーク・ディクソンが、"僕のマスタングは充分なコンディションで無いから、新しいベントレーを借りてツアーに出る"と知らせてきた。

おそらく、マークは私にジェンセンで参加しないようにと伝えたかったのだと思う。マスタングとジェンセンでは読者の前でクラシックカー雑誌の編集者として顔がたたないというわけだ。そこで改めて、私の車は公式の場に連れて行くのには相応しくないのだと気付かされてがっかりもした。

ボディを綺麗にするため最後に工場へ預けてから、もう8年前も経っていたことにも気づいた。"まだ、また預けるのには早い"と毎年思い続けていたら乗っていたらこれほどの時間が経っていたのだ。天気関係なく、毎日乗れる車は、ガレージでブランケットをかけられている時間がほとんどのクラシックカーより劣化が早いことは言うまでも無い。乗りたいときに乗れるよう、そのように管理しているにも関わらず、乗りたいときに乗れないというのは悲しいことだ。

そこで、ジェンセンを完璧に復活させるために信頼できる人物をネットで探した。予算や目的でフィルターをかけてみたら、一気に候補が減ってしまった。そこで、友人であるトムにマッシモ・オリンピ・アウトスティロを紹介してもらった。トムは、彼のアルファロメオを長年ここで整備している。車を持ち込んで、相互で確認を取りながら手を加えていった。

スペシャリストとしては完全なレストアを施したいようであったが、とりあえず今出来るベストとして人前に出しても恥ずかしくない程度に整備をしてもらった。もちろん、そのままでは絶対に人前に出れないというわけではないのだが...

2度目の訪問をし、細部のチェックもしてもらうように更にお金を払った。フルレストアを出来たらよかったのだが、残念なことにそこまでの余裕はない。お金がかかるからといってジェンセンを捨てる気は全く起きないほどに、クラシックカーへの愛情は持っているのだけれど。

James Elliott (Octane UK)

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