スーパーカーの代名詞「ガルウィング」ドアの名車12選

ガルウィング・ギャラリー



デ・トマゾ・マングスタ
ギア時代のジウジアーロによる地を這うような美しいデザインに惑わされてはならない。マングスタはフォードV8のありあまるパワーとリアに偏った重量配分で、野獣のような凶暴さを隠し持っていた。だが、ガルウィングを乗員用のドアではなくエンジンコンパートメントのカバーに応用したアイデアには拍手を送りたい。両側から開いてミッドシップ・エンジンの整備ができ、スペアタイヤや小さなラゲッジスペースにも手が届く仕組みだ。



イーグルSS
ガルウィングドアを持つキットカーをひとつ選ぶのは大仕事だ。なにしろ1970〜80年代にはグラスファイバー製ボディのキットカーが数多く存在した。ウェストサセックス州ランシング生まれのイーグルSSは大部分がオリジナルだが、アメリカのキットをベースにしており、そのまたベースはイギリスのノヴァだった。フロントに特徴のある派手なFRP製ボディの下には、フォルクスワーゲン・ビートルのプラットフォームが隠れており、エンジンも空冷式フラットフォーだ。そのギャップが魅力なのかもしれない。



プジョー905
ガルウィング・ウィンドウと呼びたくなるようなカーブを描く小さなドアを乗り降りしたのは、デレック・ワーウィック、マーク・ブランデル、マウロ・バルディなど、1991〜93年に世界スポーツカー選手権でプジョーの黄金時代を築いたドライバーたちだ。V10エンジン搭載のプジョー905は1992年のル・マンで優勝と3位に輝いた。その鍵となったのが驚異的な空力性能だ。通常のドアを廃したことで、サイドを大きく立ち上げた流れるようなボディ形状が可能となり、そこを流れる気流によってアドバンテージを得ていた。


編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下恵 Translation:Megumi KINOSHITA Words:Giles Chapman

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