BMW歴代のデザイナーたちが描いた貴重なスケッチ19枚

すべてはスケッチから始まる(Photography:Daniel Kraus)



BMW1602〜2002:1966〜77年
アメリカの辣腕インポーターだったマックス・ホフマンのアドバイスに従って2.0リッター・エンジンを搭載した結果、BMWの名を広く知らしめることになったのがこのシリーズである。

「実は個人的に2002を所有しているほど当時のモデルが好きですし、この時代に関心があります」とファン・ホーイドンクは語り始めた。実際のところ、2002のレンダリングは芸術と見紛うばかりに美しい。

「そのテーマには継続性が見受けられます。1500よりもコンパクトで、よりスポーティなグローバルカー。スポーティ・セダン作りを得意とするBMWのブランドイメージは、この頃、形作られたものです」

最初のスケッチは1964年まで遡る。「この頃には、ミケロッティと肩を並べるほどの実力を有するデザイナーがBMW社内にも増えており、デザインの主導権をミュンヘンに引き戻そうとする動きが始まります。私たちが調べた限り、2002はBMW自身の手によりミュンヘンでデザインされたようです。彼らは新しい株主たちを深く信用するようにもなっていました」

「2002の出発点を作り出したのはゲオルグ・ベルトラムでした(スケッチ [5])。ご覧のとおり、細部にいたるまで発売された製品と変わりありません」スケッチ [6]を指さしながらファン・ホーイドンクが教えてくれた。「こうした宝石のようなスケッチも残っています」と、テールライトが描かれたスケッチ [7]をゲオルグはそう評する。

スケッチ [8]とスケッチ [9]はスピードスター・コンバーチブルならびにクーペに関する提案だ。「どちらもルーフをさらに薄くすることでスピード感を強調していて、私の大好きなスケッチです。これらは後にマンフレート・レネンが手がけた2000CSや3.0クーペにも影響を与えました」







編集翻訳:大谷達也 Transcreation:Tatsuya OTANI Words:Richard Bremner Photography:Daniel Kraus

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