イギリスが生んだ偉大なドライバー デレック・ベルに聞く栄光の日々

Photography:Delwyn Mallet and Getty Images

デレック・ベルに、スターリング・モスやスティーブ・マックイーンとの友情、ワークス・ポルシェを駆った日々について語ってもらった。

デレック・ベルは本当に好人物だ。私が初めてベルに会ったのは、1970年代中頃のニュルブルクリンク1000㎞レースの時だった。私は単なるレースファンで、ニコンやライカを首からぶら下げ、偽の書類をちらつかせて、ピットレーンにもぐり込んでいた。  

当時、というか今もそうだが、デレックは私のヒーローだった。同じイギリス人だと気づいて話しかけてくれたときは、本当に嬉しかった。レースはすでに始まっており、レーシングスーツを腰まで下げて出番を待っていたベルは、よく日に焼けていた。実は見た目ほどリラックスしていたわけではないのかもしれない。だが、曲がりくねって危険なニュルブルクリンクの旧コースでレースするのも、休日のドライブとたいして変わらないといった佇まいだった。



あれから30数年、私はデレック・ベルMBEと再び話をする機会を得た。ベルは今もよく日に焼け、相変わらずスピードを売りにした車の仕事をしている。だが、今回顔を合わせたのは、以前より落ち着いた場所、デレックがフロリダ州ネープルズで共同経営している高級車ディーラーの一室だ。70代とは思えない引き締まった体つきは、キャリアのピークと変わらない。確かに、おなじみの笑い皺は深くなったが、フロリダの太陽とオレンジジュースが若さの秘訣なのだろう。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:木下 恵 Translation:Megumi KINOSHITA  Words:Delwyn Mallet 

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