パリの古書店で入手した1908年の自動車カタログ|AUTOMOBILIA 第7回

ベルリエのカタログ表紙(Photos:Kumataro ITAYA)

フランスの古いカタログをとりあげたいと考えていた。ご記憶にあるだろうか、本連載の第一回ではブガッティのカタログを紹介した。ブガッティのカタログも充分古かったが、今回は更に古い1908年のカタログ二点である。

ヒストリックカーの歴史区分
フランス・パリに本拠を置き、世界のクラシックカー愛好団体を統括する組織FIVA(FEDERATION des INTERNATIONALE VEHICULES ANCIENS)は、生産されてから25年以上経過したクルマをヒストリックカーと呼び、次のような細かい時代区分と名称を与えている。

Class A(Ancestor):1904年12月31日までに生産された車
Class B(Veteran):1905年1月1日と1918年12月31日の間に生産された車
Class C(Vintage):1919年1月1日と1930年12月31日の間に生産された車
Class D(Post Vintage):1931年1月1日と1945年12月31日の間に生産された車
Class E(Post War):1946年1月1日と1960年12月31日の間に生産された車
Class F:1961年1月1日と1970年12月31日の間に生産された車
Class G:1971年1月1日以降に生産され、25年以上経過した車

以上、FIVA加盟組織である日本クラシックカークラブ(CCCJ)の資料による。

このFIVAによる時代区分に照らせば、当コラムの第一回でとりあげたブガッティはクラスDのポストヴィンテッジにあたり、今回紹介する1908年のベルリエとドライエはクラスBのヴェテラン区分のクルマ、ということになる。

カタログ画
クルマがクルマらしくなるのは、やはりヴィンテッジと名付けられたクラスCの年代以降ではなかろうか。それまでのクルマは馬なし馬車の風情が強い。わたし個人のクルマに対する興味も、断然ヴィンテッジ期から強まっていく。ヴィンテッジと命名されているだけあって、この時期のクルマは、ブガッティ、ヴォワザン、ドラージュ、ドライエ、などなど、車名だけでそれぞれの姿を思い浮かべることができる。

ところが、ヴェテラン期以前のクルマとなると、からきしダメである。どれも同じに見えてしまって、車種の識別すらできないありさま。たとえば、AKB48もわたしは誰が誰だかさっぱりわからない。興味がないとはそういうことなのだろう。

文、写真:板谷熊太郎 Words and Photos:Kumataro ITAYA

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