ランボルギーニ・エスパーダを衝動買いしたら

Photography: Mark Dixon

ランボルギーニ・エスパーダを衝動買いしたのは、2013年に行った、忘れられない長距離ドライブがきっかけだった。『オクタン122号』の取材で、私は『evo』誌編集長のハリー・メトカーフが所有する赤いエスパーダをイタリアまで運転したのだが、そのときに心を奪われてしまったのだ。

それからというもの、私は一番の親友で『オクタン』誌寄稿者のリチャード・へゼルティーンに、エスパーダの魅力について熱く語るようになった。いや、語り過ぎたのだろう。リチャードの提案によって、半分ずつ出し合ってその車を買うことになり、めでたく数週間後には私たちのものになった。



それから1年半が経ったが、私たちのエスパーダに対する情熱はまったく色褪せることはなかった。2014年には、私たちはエスパーダに乗ってル・マン・クラシックへの初めての長旅を無事に完走してきた。

だが、リチャードと私は、いいメカニックに巡りあわないことが悩みの種だった。だが、ハリーがこのエスパーダを購入したチェシャー・クラシックカーズ社のイアン・ティレルがエスパーダのエキスパートであることが分かり、これで悩みが霧散した。

いよいよ整備に出すことになった。ここから先の話はエスパーダではなく、最近手に入れた1963年式フォード・ギャラクシー・ワゴンの話になる。なぜなら、そのギャラクシーがエスパーダの前に居座わり、おまけにエンジンが掛からなくなっていたのだ。キャブレターから燃料のラインを引き抜いてガラス瓶に差し込んでみると、ガソリンがタンクから届いていないことが分かった。さっきタンクには買ったばかりのガソリンを入れたばかりなのだ。

しかたがないので、直接ホーリー・キャブレターにガソリンを垂らし、セルモーターを回すと、瞬く間にV8エンジンに火が入った。だが数秒で息絶えてしまう。同じことを繰り返して、なんとかギャラクシーの巨体をエスパーダの前から退かせることに成功した。原因を探ると、ガソリンがゼリー状になっていることを見つけた。どのくらい長く期間、タンク内にガソリンが放置されていたか分からないが、たぶん恐ろしいほどの長期間だろう。

これでやっと、私の1991年型ランドローバー・ディスカバリーに連結したトレーラーに、エスパーダを載せることができた。ノーサンプトンシャーからチェシャーまでの長いドライブになる。大型トラック達の間を55mphで走っていくと、すれ違いざまにドライバー達
が親指を立てたり、頷いたりしてくれたのは嬉しかった。やはりエスパーダの注目度は満点だ。

Words: Mark Dixon (Octane UK)

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