クラシックポルシェに履かせるのにモータージャーナリストが選んだタイヤは?

Photography: Robert Coucher

先日、私は自分のポルシェ 911 2.4S タルガをプリル・ポルシェ・クラシックスに持ち込んだ。オーナーのアンディが、燃料タンクとサスペンションブッシュの整備、フュエルインジェクションのチューンナップ、その他数カ所の微調整をしてくれた。

でも、もう一つの重要な調整については言っていなかった。それはタイヤだ。このタルガはオーストラリアから輸入され、見栄えの良いピレリの195/60x15のセットを履いていた。トレッドはまだ深く、良いコンディションだった。アンディは整備工場でそのピレリの製造日をチェックし、私に電話してきた。なんと、11年も前のものだと言う!確かに、それ程驚くことではないかもしれない。この911 はその半生を乾燥したシドニーの制限速度付きの環境の中で過ごしてきたのだ。タイヤの性能が特に重要視される場所ではない。

私は、特にクラシックな車に装着するタイヤについては、少々こだわりがある。オリジナルのタイヤは、細身でハイプロファイル(高扁平)なので、現代のワイドでロープロファイル(低扁平)のものよりも接地面積が小さい。なのでクラシックタイヤは、硬くなってスリップするようではダメで、新しくてグリップするようにしておくことが非常に重要なのだ。ラリーやグッドウッドの『オクタン』トラックデイでは、コーナー出口でこの911はどうも落ち着きなく非力に感じた。今となっては、その原因が分かる。



新しいタイヤを注文しようと、ロングストン・クラシック・タイヤのドゥーガル・カウリーに電話した。ドゥーガルは、ピレリ6000の195はマッチしていないと言う。理想的なハンドリングを実現するには、オリジナルの装備であったピレリ・チントゥラ―ト185/70VR15 CN36sが必要とことだった。1本179ポンド(約2.8万円)、5本セットで799ポンド(約12.5万円)を支払い、ウォッカトニックを一杯おごると、ドゥーガルはプリルへそのタイヤセットを送ってくれた。ロングストンでは、イギリス、ヨーロッパを含め多くの国々への送料は無料だ。

新調したサスペンションのブッシュとの相乗効果で、新しいチントゥラートは素晴らしい性能を発揮し、私のポルシェの乗り心地は見事に改善された。もう丘の斜面でクラッシュすることもなく、走行音が静かになった上にグリップは大きく向上した。それに加え、元々良かったステアリングはさらに良くなり、鋭いターンもでき、軽いフィーリングになった。

申し分の無い結果だ。新しくて適切なスペックの良いタイヤがいかに差をつけるかが分かる。クラシックな車のタイヤはチェックすることをおすすめする(サイドウォールに製造年月が刻印されている)。もし6年以上経っていたら、新しいセットに替えれば、車自体を一新した様に感じるだろう。

Words: Robert Coucher 訳:オクタン日本版編集部

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