車を良好な状態で保管する「カーカプセル」とは!

オクタン日本版編集部

愛車を良好な状態でキープすることは、自動車愛好家にとっては共通の悩みである。普通のボディカバーを被せていても生地とボディのこすれは気になるし湿気も溜まりやすい。またどんなにガレージの中を清潔に保っていても、いつの間にかボディにホコリが積もってしまう。その問題を解決するのが、今回紹介するカーカプセルである。この商品は、株式会社ヤナセオートシステムズが輸入し、販売はヤナセクラシックカーセンターが行っている。いずれも自動車業界で100年以上もの歴史をもつ株式会社ヤナセのグループ企業だ。



このカーカプセルはビニール製のバルーン本体を電動ファンによって膨らませ、カプセル内の空気を常に循環させるもの。ボディとバルーン形状のカバーは接触していないのでキズなどの心配はないし、空気がクッションになり外からの衝撃にも強い。また空気の流れにより過度な湿気をためることなく適切な内部環境を維持できるという。この商品を紹介するにあたって、実際にご自身で自動車のメンテナンスを行われる生粋のエンスージアストに使用いただき、その感想をうかがうことにした。

ご協力をいただいたのはT氏。
若い頃からトヨタ2000GTやジャガーMarkⅡといった名車に加えて、多くのモーターサイクルも乗り継ぎ、アメリカを中心にした30年間もの海外生活の中で素晴らしいカーライフのベースを築かれた御仁である。T氏はモータースポーツへの造詣も深く、戦前のクラシックカーの整備も自身のガレージ行われるほどの徹底した技術派である。現在の愛車はヤナセクラシックカーセンターで第1号車としてレストアされたメルセデス・ベンツ280SLや戦前のクラシックカー、そして最新スポーツカーにいたるまで多岐に渡る。もちろんどの車も今すぐ走れる状態で保管されている。

今回カーカプセルは2011年メルセデス・ベンツSLS AMGで試していただいた。「生まれたときから車が好き」と口にされるほど車やバイクへの関心が人一倍深かったT氏が、車やバイクを選ぶときの基準は明確である。それは「メカニカル的に面白いこと」だ。ブランドで好みを決め付けることなく、とにかくユニークで画期的な仕組みをもった構造には強烈な興味を覚えるという。また本で知識を詰むだけでなく、自らの手で完璧な状態に仕上げることが何よりも好きとおっしゃられる。

さてカーカプセルの日本での展開は、ヤナセオートシステムズのK氏が海外のイベントにおいてこの商品に出会ったのがきっかけである。バルーンタイプの電動ファンからの空気循環は効果的で、サイドウインドウを半開きにしておけば車内の湿気を滞留させることもない。長期保管に頼りになるバッテリー充電装置も付属しており、停電時にも約40時間は充電装置により連続可動する。商品の特性として、日常的に車両に乗る方よりは、月に一度程度のドライブが趣味というオーナーへおすすめしたい。ちなみに今回使用したのはガレージ用(屋内用)で透明タイプだ。

カーカプセルの設置方法は以下の通り。

まず100V電源が必要。チェッカー柄のシートを床にまっすぐに敷き、透明ビニールのチャックを開けて捲り上げる。



次に車両を床シートに対して並行に停車。この時にサイドウインドウを半開きにすると湿気対策になるので忘れずに。



充電装置をバッテリーに接続する場合は、この段階で作業を行っておくこと。そして透明のバルーンカバーをボディに擦らないように被せてチャックを閉める。



コンセントに接続(電源をオン)すると自動的にファンが回りはじめ約5分でバルーンは膨れ上がる。時間が経つとビニールカバーのシワもなくなり、カーカプセルとして完全な保管状態になる。


実際にしばらく使用いただいたT氏に感想を伺うと「不思議とガレージでSLSの様子を眺めるのが楽しくなったんです。なんだかショーケースに入っているみたいで可愛くって」と嬉しそうに話してくださった。何よりも車を大切にする方にとって愛車を一層魅力的に見せてくれる副次的効果が期待以上のものだったという。勿論クリーンな状態で車を管理する、という本来の目的でも効果を実感されており、窓に積もる埃が気にならなくなったり、素材が丈夫なので安心感がある、とコメントをいただいた。

また、カーカプセルからの出し入れも体験いただいたが、これも決して困ることなく一人での出し入れが可能だったという。ファスナーも適度に大きく、滑りも良いので閉める工程も問題なくスムーズに行えるという。素材がビニールであるため寒冷期には若干硬化し、少し手間取るものの、これからの暖かな季節には素材も柔らかくなるため、扱いもしやすいだろう。

ちなみにT氏は今回の体験でカーカプセルを気に入り、1958年式ポルシェ356スピードスター用にも注文されたそうだ。

単なる「道具」として考えると多少不便に感じるかもしれないが、車をおもちゃとして愉しむような人ならば、カバーをかける時間も楽しむことができるはず。何よりカバーに入れた愛車を眺めることに満足を覚えると思うのだ。車好きに取って愛車を想う気持ちは万国共通である。「カーカプセルで保管をしていた」という説明が、次のオーナーの安心につながるような時代がやがて訪れるかもしれない。

なお、4月5日(金)~7日(日)に幕張メッセにて開催されるオートモービルカウンシル2019にはカーカプセルの実物展示も行われるので、ぜひ気になる方はこの機会にご確認いただきたい。


【屋内用カーカプセル】
●16ft
サイズ :L487cm×W198cm×H172cm
重量  :約20kg
価格  :¥104,760(税込)
対応車種:Porsche911シリーズ程度の車両に対応

●18ft
サイズ :L548cm×W198cm×H172cm
重量  :約23kg
価格  :¥110,160(税込)
対応車種:Mercedes-Benz Sクラス程度まで対応
※屋内用にはバッテリーチャージャーが付属

【屋外用カーカプセル】
●18ft
サイズ :L540cm×W195cm×H170cm
重量  :約30kg
価格  :¥129,600(税込)
対応車種:Mercedes-Benz Sクラス程度まで対応


ヤナセクラシックカーセンター

オクタン日本版編集部

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