走れど停まれど圧倒的 | 激変した新型ベントレーコンチネンタルGTコンバーチブル

Photography:Bentley Motors Japan


海峡ひとつ挟んだ向こうにあるヨーロッパからアジアまで続く巨大な大陸。その地への見果てぬ想いがグランツーリスモに託される。その圧倒的な性能をコンチネンタルと称したベントレーが、ロールスとの同門にあってもそれをもってスポーツというブランドイメージを守り続けてきたのは確かだ。

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新世代プラットフォームの採用でボディは20%軽量化、剛性も5%向上した。気筒休止システムを備えたW12エンジンは、クルーで設計・開発、ハンドビルドまで行う。


ゆえに、VWグループ傘下で新たな体制となった03年、新生ベントレーとして最初にリリースしたモデルもコンチネンタルと名付けられたのは自明だったのだろう。新世代のコンチネンタルは強烈なパワーを四輪駆動のシャシーで吸収し、300km/hオーバーのポテンシャルをも平然とカバーする超高速GTとして生まれ変わった。そこにラグジュアリー性を加えたモデルとして設定されたコンバーチブルも、クーペと同様このモデルが三代目となる。
 
新しいコンチネンタルGTコンバーチブルのトピックはプラットフォームやエンジン、ドライブトレーンといったメカニカルパートの全てが完全に刷新されたことだ。アーキテクチャーはポルシェが開発を主導したMSBモジュールを採用、アルミハイブリッドボディは大幅な軽量化に加えて、前軸側を前方配置したことで重量配分的にも改善をみている。そのFR的なプロポーションがデザインにも伸びやかさを与えたことは間違いない。
 
エンジンは最新世代の6リッターW12気筒直噴ツインターボを搭載、最高出力は635ps、最大トルクは900Nmに達した。8段DCTを介しての最高速は333km/h、0-100km/h加速は3.8秒と問答無用の動力性能を誇る。四輪駆動はオンデマンド式となり、走行状況やドライブモードに応じて前輪側には3%から最大38%の範疇で駆動を配分。ESPを活用したブレーキベクタリングシステムも相まって、ハンドリングもFR的なキャラクターに仕上げられている。

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スイッチ類のローレット加工にはより柔らかい手触りのローレット加工を追加。レザーハイドは約9頭分のレザーが使われている。


内装はその物量や仕立てにおいて、相変わらず贅を極めたもの。日光の下に晒すのがためらわれるほどに張り巡らされたレザーやウッドも、厚い幌をあげておけばクーペ同然の耐候性や遮音性のもとにしっかり守られる。幌をおろせばフルオープンならではの開放感の一方で、振動特性などの変化はほぼ感じられない。完璧な設えは新型でも継承されている。

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クーペから受け継いだパワーラインをアクセントに、従来よりノーズを長くかつ低くすることで安定感のあるシャープなスタイルに。


そしてクーペと同様、激変したのが運動性能だ。軽量化と重量配分の最適化もあってか、先代に対してともあれ身のこなしは軽い。相当な領域までアンダーステアをうかがわせず、量もスピードも穏やかなロールを伴ってスッと曲がる感覚は、今までのコンチネンタルにはなかったものだ。ドライブモードによって走りのキャラクターは大きく変化するが、負荷に応じてセットアップをリニアに変化させる「B」に入れておけば、不満を抱くことはないだろう。乗員は走れど停まれど圧倒的なその車中に居て、流れる時間の豊かさを感じていさえすればいい。百花繚乱のラグジュアリーセグメントにあって、コンチネンタルGTコンバーチブルの存在意義は今も孤高なものだ。

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Rタイプのスポーティバージョンとして登場した伝説のGTモデル、Rタイプ コンチネンタル。


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従来からのデザインテイストを踏襲するエレガントなスタイルに。最新LEDマトリクス技術を用いた、クリスタルガラスのような輝きのヘッドライトが特徴的だ。

文:渡辺敏史 Words: Toshifumi Watanabe

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