小さくも大きな革新をフェラーリにもたらした1台「ディーノ」

Photography: Ian McLaren



写真のジャッロ・フライ・フェラーリ・ディーノはケープタウン出身のディッコン・ダギットが所有する車だ。彼はケープタウンにおけるヒストリックレーシング界では有名な存在で、モナコとグッドウッドではクーパー・ブリストルでレースに出場している。このディーノは、彼が1981年から所有しているものだ。

「もし車を手放すなら、これが一番最後になるでしょう。」ダギットはそう言う。「スタイリングが美しいだけでなく、クラシックなのにスピードが出てハンドリングも素晴らしい。スポーツカーに求める要素がすべて入っています。ディーノGTは米国で売られた際に初めてフェラーリのバッジが貼られたのですが、それでもロード向けのフェラーリでは重要な1台だと思います。」



そう、ダギットの様に情報収集をしっかりと行っているコレクターは、ディーノを正当かつ重要なフェラーリとして位置づけているのである。しかし、新車当時でV12フェラーリの半分ほどの価格だったディーノは、その多くが丁寧な扱いを受けず、複数のオーナーの手を渡っている。錆、低い信頼性、そしてそれらによるメンテナンスコストなどにより価値が下がり、「安物のフェラーリ」のレッテルを貼られていたのだ。それゆえ更に扱いは粗いものとなっていた。



だが1970年代のクラシックカーブームから275GTB、365GTC、そしてデイトナの価値はどんどん高騰し、1990年頃にデイトナは、なんと状態の良いディーノの4倍の価格がつけられていた。しかし現在はデイトナとディーノの価値は共に約13万ポンドで、ほぼ同じくらいに落ち着いた。ディーノは大型のフェラーリV12等と並び、コレクターからも尊重されるに相応しい位置づけとなっている。コックピットの後ろに積まれたエンジンレイアウトも、その後の多くのフェラーリがそうであるように、今ではスポーツカーとして最適のレイアウトとされているのだ。

編集翻訳:編集部 Transcreation: Octane Japan 原文翻訳:数賀山まり Translation: Mari SUGAYAMA Words: Robert Coucher 

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