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1967年ル・マン24 時間のスタートラインに、ローラ・アストンマーティンの名を冠した2 台のスポーツプロトタイプの姿があった。それに先立つニュルブルクリンク1000kmで、ジョン・サーティースのドライブでデビューを果たすと、満を持して2台体制でル・マンに臨んだのだった。

そのミドシップに搭載されていたDOHC 5リッターV8エンジンは、アストンマーティンのタデック・マレック技師が設計を担当。DB6の後継モデルとして準備中であったDBS用として開発が続けられていた、同社の新時代を担うエンジンだった。車をレースで鍛えてきたアスマンを選んだといえる。DBSは、まず1967年に使い慣れたストレート6を搭載してデビュー、V8エンジンは5.3 リッターから330bhpを発揮するまでに開発を終えると、1970年春にDBS V8として市場に現れた。



軽量でパワフルなエンジンとしての設計が成された"マレック" V8は、1972年の誕生から、厳しい燃費規制や排ガス対策などの荒波を乗り越えながら2000年までという長きにわたってアストンマーティンの主力パワーユニットとして君臨し、同社の歴史に名機として刻み込まれた。

マレックV8がフェードアウトしたあと、V8の名は2005年にV8ヴァンテージとしてカムバックを果たし、V8ストーリーの第2章が始まった。新しい4.7 リッターV8ユニットを搭載したV8ヴァンテージは、これまでより顧客層を広げようとして企画されたモデルであり、果たして大きなヒット作となった。それは同社のラインナップの中では他に例がないコンパクトな2座GTであり、多数のライバルが犇めくクラスへの投入であったが、アストンマーティンらしいグランドツアラーとしての性格を合わせ持っていたことが成功の要因になったといわれている。そしてアストンマーティンのV8グランドツアラーの歩みは、DB11によって新たな第3章が始まった。

文:オクタン日本版編集部 Words:Octane Japan

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