ランボルギーニ・ポロストリコの原点回帰│「ポロ」の意味とは?

Photography:Mark Dixon

ランボルギーニ・ポロストリコはランボルギーニのクラシックカー部門である。その部門を加速させる人物にマーク・ディクソンが話を聞いた。

何事にも順序というものがある。まず、そもそもポロストリコの"ポロ"は何を意味しているのか?
「それは"ハブ"という意味です」と説明してくれたのはポロストリコのにこやかなボス、パオロ・ガブリエッリである。

「私
たちの狙いはいわば360°のサービスを顧客に提供することなのです」実に野心的な試みである。それを実現するためにランボルギーニは非常に実践的な手法を選択した。

他のイタリアのスーパーカーメーカーが2006年にクラシック部門を立ち上げた時、彼らは単に、長年にわたって古いモデルをサポートしてくれた社外のスペシャリストに乗っかっているだけではないかと批判された。その会社によれば、自分たちだけが過去のモデルを正しくレストアする技術と知識を持っているということだったが、それはどう見ても非常識だった。

それから12年経って、メーカーはもっと現実的な考え方をするようになった。
「それぞれのスペシャリストは長年私たちのブランドを守ってきてくれました」とパオロは語る。「実際、彼らの多くはかつてランボルギーニで働いていた人々で、いわば家族の一員です。私たちの役目はプロジェクトマネージャーのような立場で、そんな専門家たちと協力して、過去の資料を参照できるようにしたり、ランボルギーニが再生産したスペアパーツを利用できるようにすることです」

スペアパーツについては、既に4ℓV12エンジン用の新しいシリンダーヘッドを再生産している。それは鋳造材の性質まで当時のものを再現したパーツである。ポロストリコが最も注力しているのはメカニズム面で、レストア作業のうちエンジンやドライブトレーンは社内でリビルドし、それ以外のほとんどの作業は外部に委託する方針を取っている。

また、製造記録に基づいたサーティフィケーションもポロストリコの主要業務のひとつだ。ミウラやカウンタックの検査と証明書発行の費用はおよそ1万ユーロで、"マイナーモデル"は6100ユーロだという。パオロによれば、そのために2週間ほどかけてサンターガタで800から1000箇所をチェックし、その後顧客は詳細な書類とともに自分のランボルギーニがどのようにオリジナルか(あるいはそうでないか)について説明を受けるという。

しかしながらポロストリコは、完全にオリジナルではない車についてもサーティフィケーションを断ることはない。
「ナンバーが完全に一致しないとしても、顧客の美しい車の証明書を拒否するのはフェアではありません。ただし、不一致点があった場合にはすべて書類に記載し、そのコピーを私たちが保管します」

2016年4月のスタート以降、ポロストリコは既に36台のフルレストアを仕上げ、現在は22台が作業中、さらに60台が入庫を待っているという。カウンタックやミウラ以外のモデルも多数予約が入っているというから嬉しい限りだ。ポロストリコのロビーに飾ってあるエスパーダS2のボディシェルを示しながらパオロは続けた。

「これは米国の顧客から依
頼されたものですが、彼は私たち自身のレストア事業が始まるまで何年も待っていてくれたのです」待ち望んでいた顧客は他にも多数いるはずである。

編集翻訳:高平高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words and Photography:Mark Dixon

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