まさかの低価格で話題! クラシック・ミニに最新エンジンを積んだリマスタードモデルの全容

1967年スイフチューン・ミニ・マドウィック(Photography:Jayson Fong)

スイフチューンが、オリジナル・ミニ・クーパーの進化型として発表した"ミニ・マドウィック"。その全容をポール・ハーディマンが探った。

いま、DBAが手掛けたミニ・リマスタードが話題になっている。驚くべきことに、それは10万ポンドで販売されているのだ【編集翻訳注:英国のデイビッド・ブラウン・オートモーティブ(DBA、アストンマーティンのDBとは別人)が、オリジナル・ミニをベースに、各部をリファインし、モダンなテイストに設えたモデル】。

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長年ミニに携わるスペシャリスト、スイフチューンはその豊富な経験を生かしたミニの1台目を完成さた。シーム(ボディの外側に現れたパネルの接合部)を削り取ることはせず、エアコンもタッチスクリーン式カーナビもない。外観はれっきとしたクラシック・ミニだ。だが、ボンネットの中に収まっているのは、スイフチューンが1965年に製作して以来レースで使用しているFIA仕様のレース用ユニットにインスパイアされたエンジンなのである。そのコンセプトは、クーパーSよりも優れ、しかしクーパーSよりも低価格な最新モデルを提供するというもので、スイフチューンのエンジンが数々の成功を収めてきたグッドウッドの有名なコーナー名に因んで「マドウィック」と名付けられた。

経験のなせる技
1965年製のスタンダードモデルをベースに造られたこの車は、オリジナル・クーパーSの仕様から大幅に変わっているわけではない。しかし、実際に運転してみると、スイフチューンが50年以上にわたり取り組んできたあらゆる微細なチューニングの積み重ねによって、素晴らしい性能を実現していることがわかる。グッドウッドのピットレーンにいると、サーキットの常連であるニック・スイフトがこのスピードメーターは、かなり正確だと教えてくれた。ニックを横に乗せ(私の体重が約66kg、ニックはもう少し重い)ステアリングを握る。ウッドコートでブレーキを踏む手前、ラヴァンストレートの終わりでは、苦もなく6300rpmに達し、スピードメーターの針が108mphまで上りつめた。実際のところは、105mph(約169km/h)といったところだろう。鋭い加速をするわけではないが非常に効率的に回る。3500〜4000rpmあたりから鋭さを増し、これ以降、6000rpm以上までほぼ直線的にパワーが上がっていく。5500rpmで最大出力を発揮するため、すべてのギアでレッドラインまで引っ張る必要はない。

「そう、それがこの車のポイントです。80%の力で90〜95%のパフォーマンスが得られる」そうニックは話す。ブレーキは安定していて、ハンドリング性能も申し分ない。フルスロットルでマドウィックを抜けるときには、わずかにアンダーステアになった。そこで、ラヴァンコーナーの中間で試しにアクセルペダルを緩めてみると、急激にノーズを巻き込んだりせずに、穏やかにテールアウトを始めた。フォードウォーターはもちろんトップギアでフルスロットルのまま抜け、もし勇気があれば、4速のままでセント・メアリーへ飛び込み、ドリフトして次のコーナーへ向かってもいい(私は3速を使ったが)。実に従順なこの車は、慌てなくても充分な時間を与えてくれる。

Mk.1エスコートのドライバーは、一般的に前輪駆動の挙動を嫌うものだが、この車なら喜んで乗るだろう。ラジエターの温度は計器の中央で針が落ち着き、フルスロットルでのラップを繰り返した後でも、油圧は75psiに張り付いたまま実に安定しているので、日が暮れるまでずっと乗っていたい気持ちになった。

タイヤは、公道仕様のダンロップSPスポートR7 165/70だが、車両のニュートラルなハンドリングにかかわらず安定感があるため、ターンしたり滑らせたりしたいと思うはずだ。多少ドリフトはするが、ダンロップ・レーシングほど、バタつくことはなく、コントーラブルだ。

編集翻訳:伊東 和彦(Mobi-curators Labo.) Transcreation:Kazuhiko ITO(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:渡辺千香子(CK Transcreations Ltd.) Translation:Chikako WATANABE(CK Transcreations Ltd.) Words:Paul Hardiman Photography:Jayson Fong 取材協力:スイフチューン(www.swiftune.com)

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