イギリスに壮大な新博物館の計画が

イギリスに壮大な新博物館の計画が

世界的に知られるカリフォルニアのコレクターがコッツウォルズに新施設を計画している。

カリフォルニアのエンスージアスト、ピーター・マリンは、アールデコの傑作を数多く収集する世界屈指のコレクターで、ロサンゼルスにあるピーターセン自動車博物館の会長も務める。マリンがイギリスに建設を計画している新しい自動車博物館は、1億5000万ポンド、160エーカー規模の一大プロジェクトだ。年間20万人の来場者を見込み、早ければ2020年のオープンを目指している。

施設の仮称は「ザ・マリン・アット・グレートテュー」。オックスフォードの北20マイルほどのところにあるコッツウォルズの宝石、グレートテュー・エステートと協力し、第二次世界大戦中に使われた元エンストン飛行場の一部を使用する計画だ。

この場所を選んだ理由を、マリンは『Octane』に次のように語った。「ここは、F1チームを含め、多くの自動車関連企業があることから、"モータースポーツバレー"とも呼ばれる地域です。また、美しいコッツウォルズのカントリーサイドが車を運動させるのに理想的であることはいうまでもありません。私はイギリスに家を構えて35年になるので、この地域の景観の素晴らしさはよく知っています」

『Octane』は、イギリスのプロジェクトディレクターを務めるキアラン・ヘディガンの案内で、建設予定地と計画申請で提出したイメージスケッチを見せてもらった。この地域ではいまだかつてない大規模な計画といわれており、審査の結果は間もなく示される見込みだ。

掲載したスケッチが示す通り、中核となる博物館はアーチ状のルーフで覆われている。これは、ル・マンのダンロップブリッジをイメージしたものだ。その手前には来場者を迎える人工の池が設けられている。マリンは、2009年にマッジョーレ湖から引き揚げられた有名な"湖のブガッティ"タイプ22を所有するので、それを展示したら面白いだろう。

博物館は4階建てで、総床面積は6万平方フィート(5520平方メートル)に上り、さらに5万平方フィートの保管スペースを備える。そのため、一度に200台ほどの車を展示し、それを定期的に入れ替えることが可能だ。展示車両のうち約30台はピーター・マリンのコレクションから出し、残りは世界中のコレクターから借り受ける。

「私は(カリフォルニア州)オックスナードのマリン博物館とピーターセン博物館の経験から、別の博物館に車を貸し出す伝統があるのを知っています。ここでもそれを生かせるはずです。そうすれば、展示車両の幅が広がり、より頻繁な入れ替えが可能となるでしょう」

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curatorsLabo.) Transcreation:Kazuhiko ITO (Mobi-curatorsLabo.) 原文翻訳:木下恵 Translation:Megumi KINOSHITA Words: Mark Dixon

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