森の中で見捨てられていたボロボロのVWバスを救出

1952年VWトランスポーター(Photography of finished vehicle:Matthew Dear)



悲しいことに、彼のおかれた個人的な状況が劇的に変化したため、ベンがバスと過ごす時間は短くなった。彼の妻であるモーが病気に罹り、彼は資産を売却する必要に迫られた。常に彼の味方であるモーは、ベンが彼のすべての車とプロジェクトを反射的に投げ売りすることを止めさせたが、車のうち何台かは買われていった。その中には、このバーンドアも含まれていた。しかし幸運だったのは、同好の士である北アイルランドのエンスージアストにもらわれていったことである。

「私はこの車をなんとか復元し、モーと私で、地元のショーに何度も乗って行ったり、オフロードでの性能を試すためにちょっとしたグリーンレイニングをしたりして、楽しい時間を過ごしたことが喜びだった」というのが、ベンの結論だった。

そして現在、ベンは新しい挑戦に夢中だ。もう1台のVWバスの残骸が残っている。昨年、スウェーデンの同じ森から救い出されたこちらの車は、1955年3月製造のシングルキャブで、"Tocksfors Jarnhandel"つまり"トィクスフォーシュ金物店"という看板がドアやサイドに付いている。「トィクスフォーシュのつながりが、私を夢中にさせた」とベンはいう。「この車は、バーンドアの製造終了のちょうど2週間後に造られたんだ」

今回もまた彼がどのような奇跡の復活を成し遂げるのか、私たちも待ちきれない。


完成したバスは、優雅に風化した感じがあり、オリジナルと交換された部品がほどよく融合している。

1952年VWトランスポーター
エンジン:水平対向4気筒、OHV、1131cc、
ソレックス・キャブレター(現状は、後期型1493ccユニットを搭載)

最大出力:24.5bhp/3300rpm 最大トルク:51lb-ft/2000rpm
トランスミッション:4段MT、リダクションギア付き、後輪駆動 
ステアリング:ウォーム&ナット

サスペンション(前):ダブルトレーリングリンクス、トーションバー、
テレスコピック・ダンパー

サスペンション(後):スイングアクスル、トーションバー、テレスコピック・ダンパー
ブレーキ:ドラム 車両重量:998kg 性能:最高速度56mph(90km/h)

編集翻訳:伊東和彦(Mobi-curators Labo.) 原文翻訳:BE-TWEEN (平野 Julia、Shawn Mori、東屋 彦丸) Words:Mark Dixon and Ben Laughton Photography of finished vehicle:Matthew Dear

無料メールマガジン登録   人気の記事や編集部おすすめ記事を配信         
登録することで、会員規約に同意したものとみなされます。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

RANKING人気の記事