ジュリアとハリウッドでのラブストーリー│近づく別れのとき

Evan Klein

はじめて出会った日のことを覚えている。僕は完全に君(ジュリア)に打ちのめされたのだ。汚れたボディにタイヤはパンクしていて、他の車に避けられているように見えた。君のことを友人に話すと、頭がおかしいとすら言われた。しかし、はじめて君をショップに連れて行った日から、僕らには希望があることを分かっていた。

ベニーは君が長い眠りから目覚めて、はじめて言葉を発するまでモーターをマッサージし続けてくれた。僕は君がまた動けるようにタイヤを付け替えてあげて、僕の仲間たちも君をピカピカに磨いてくれたり、新しいエグゾーストを付けてくれたり、新しいフロアーにしてくれたりした。みんなの協力を得て生まれ変わった君をまた外に連れ出すのが楽しみで仕方なかった。



ハリウッドの太陽を浴びながら走っていると、挨拶してきてくれる人もいた。はじめての食事(ガソリン)に連れ出すためシェブロンにも行ったら、10ガロンも飲んだ。ハリウッド中を共に走り、家に連れて帰ると妻が嫉妬してきた。彼女は君とどこにも行きたくないようだ。夜はガレージに座りこみ、君を眺めたものだ。

一緒に過ごす時間はいつもうまくいったわけではない。ある金曜の午後にはフリーウェイを走っていたら、突然ブレーキロックがかかってしまうなんてこともあった。新しいパッドが必要だったから、合うものが見つかるまでロサンジェルス中のショップをはしごした。

はじめてのクラシックカーショーに展示したとき、君はみんなから愛されていた。連れて帰ってもいいかと聞いてきた男もいたほどだ。そこで、はじめて一緒に写真を撮ったことを覚えている。

しかし、そろそろ君を手放して次に進まなければと思う。本当に君を欲しくて、大切にしてくれる人を見つけなければならない。

Words: Evan Klein 訳:オクタン日本版編集部

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