改造クラシックカーの域を超えた実力をサーキットで試す!

Photography:Paul Harmer



フルスペックのライトウェイト・バージョンの要点はこうだ。スチール製のフロアパン、後席下のパネルをアルミ製に置き換え、またエンジンルーム・パネル、フロントのインナーフェンダー、インナーホイールアーチ、バルクヘッド、トランクの床板、そしてインテリアトリムのすべてを取り除き、ウィンドスクリーン以外のガラスもすべて樹脂製に交換。これらの結果、300㎏あまりの重量を削り取り、車重は975㎏まで軽量化できるが、1000㎏(2205ポンド)の最低重量に適合させるため、25㎏のバラストを積んでいるという。

エンジンとギアボックスのマウント、サスペンションのピックアップポイントは標準型DB4から変更してはならない。アルミニウム・ボディの形状もスタンダードでなければならないが、リアのホイールアーチは後付け部品を加えない限り、ある程度拡大することができる。ブレーキはソリッドディスクを使用すれば他は自由、またエンジンのボア、内部部品、キャブレター、インテークマニフォールドそしてエグゾーストシステムは自由。ただし92㎜の標準型ストロークとエグゾーストのリア排気は守らなければならない。ギアボックスの内部パーツは強化型に変更可能だが(標準型DBのギアボックスは増大したパワーとトルクに耐えられない)、ただしギア段数は4段に限られている。

ここに紹介するDB4シリーズ2「VAK945」(シャシーナンバーDB4/552/R)は、1980年代初頭、公道仕様でスピードイベントに出場した記録が残っているが、その後イアン・メイソンによって1986年にライトウェイト仕様にコンバートされた車だ。エンジンはアストン・マーティン・ティックフォードが組み上げたもので、ノーマルの3670㏄から4164㏄へほぼ0.5リッターも拡大されている。その後ADAエンジニアリング(当時スポーツプロトタイプ選手権にグループC2で参加していた)によってレース仕様に改造された後、日本に渡った。そこで一時期ミドルブリッジ・レーシングチームやブラバムF1チームのオーナーだった中内康児氏が時折レースに使用したという。2年後の2000年、VAK945は英国に戻り、18代目インチクイン男爵であるコナー・オブライエンが購入した。驚くべきことに、彼はそれまでミニ・クーパーS Mk.Ⅰでのヒルクライムぐらいしか競技経験がなかったという。

編集翻訳:高平 高輝 Transcreation:Koki TAKAHIRA Words:Paul Chudecki 

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