オリジナルと改造車のどちらがよいのか?2台のアストンマーティンDB4を実際に走らせて比較

Photography:Matthew Howell

オリジナルと改造車のどちらがよいのか?両方に支持する声があってどちらにも一理ある。そこで我々はオリジナルのDB4と、電動式のパワーステアリングなど多くのアップデート・パーツを組み込んだDB4とを比較してみることにした。

オリジナリティ、使い勝手、使い込み具合、レストア。これらはクラシックカーに関するどんな会話でもよく使われる用語であり、ほとんど宗教的ともいえるだけの情熱を導き出すものである。

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充分に古い本物のクラシックカーについては、メーカーの工場から出荷された時と同じレベルにすべきという意見がある。積極的な考えの持ち主で、物理的にも恵まれているオーナーたちはその意見に賛同するだろうが、単にそれが大変な努力を要するという理由から、その意見を受け入れようとしない者たちもいるかもしれない。

もうひとつのやり方は、車の時代性は正確に保ちながら、その当時入手が可能だった部品を採用することで、その車についてより速く、より機敏で、そしてより経済的な状態を実現させようというものである。そのような改造を受けた車は、時代を経て使い込まれた具合とともに誇らしさが保たれ、その長年の足跡を語って聞かせることも可能である。

それから、元に戻すことが可能な改造というやり方も存在する。この場合、古い時代の車がもたらす楽しさをスポイルすることなしに、現在の考えを適用することで車に現在の特徴を与えることが可能となる。このやり方は今やどんどん人気を集めており、ジャガーEタイプや空冷のポルシェ911などに見られる。

このやり方は、アストンマーティンでも行われている。排気量を拡大したエンジンのリビルド、デジタル式の電子点火システム、ブレーキの大径化、テレスコピックタイプのダンパー、ギアボックスの5段化、より明るいヘッドライトなど、変更点はかなり多い。中でも最も顕著な例は、パワーステアリングだろう。それは1960年代の人々が今よりたくましく、腕力に富んでいたという意味ではない。そうではなく、街中を走る際の障害物や駐車時における悪戦苦闘を避けるために今や多くの車がパワーステアリングを装備している現在、"標準"といわれるものへの見直しがクラシックの世界でも起こり始めているのである。



では、パワーステアリングを備えたクラシックカーは、もはや"クラシック"ではないのか?必ずしもそうとはいえない。パワーステアリングはあの時代にも、指定できる車種は限られていたものの容易に装着が可能であった。ただ、ステアリングがおそろしく軽くなり、路面の感覚もほとんど伝わらなかった。もしかすると、腕の筋力を鍛えるのに役立つようなオリジナルのステアリングよりはまだマシと思わせる策略だったのかもしれない。速度が上がるにつれてアシストの量を減らすという洗練された機構は、まだ初期の段階にあった。

DB6は、オプションを装備した最初のアストンマーティンであった。それがDB4やDB5にもたらす利益を想像することはできなかった。たとえそれらの車がスポーティーな特徴をスポイルしないシステムを備えることが可能だったとしてもだ。ということで、その利益やそれにともなうネガティブな要因とは何だったのか、我々はオランダのリールダムに工場を構えるEZパワーステアリングで改造されたDB4で検証すべく、さっそくオランダへと飛んだ。

編集翻訳:工藤 勉 Transcreation:Tsutomu KUDOH Words:John Simister 

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