奇抜に見える正統派│デザイン言語をザガート流に復刻した、本流のシューティングブレーク

Photography:Dean Smith

ザガート・ヴィラージュをベースにしたシューティングブレークは、アストンマーティン100周年を祝うデザインハウスによる三部作の最終章として製作された。

アストンマーティン・ヴィラージュ・シューティングブレーク・ザガートのような車は、理由なくして生まれない。イタリアの老舗カロッツェリアであるザガートにとって、2013年は"アストンマーティン100周年"という最高の節目であった。アストンマーティンとは蜜月な間柄にあるザガートからは、"誕生日プレゼント"としてDB9スパイダー・ザガート、DBSクーペ・ザガート、そしてヴィラージュベースのシューティングブレークとまさに三部作が贈られた。

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「プレゼントは贈った相手が喜ぶものでなければならないと思
っています」と語ったのは現在、ザガートを率いるアンドレア・ザガートだ。

「70年代、80年代のアストンマーティン車にインスパイアさ
れたヘッドライト一体型のグリルは、ザガートらしさよりもアストンマーティン社が喜びそうなものをと配慮しました」とアンドレは続けた。そして、プレゼントはサプライズがなければ効果が薄いからと、アストンマーティン社が開発にかかわったのは必要最低限に抑えられたという。
 
興味深いことは、今回の三部作が「三大陸に橋をかける」と
いう斬新な販売手法を採ったことだ。

「DBSクーペは日本のお客様に、DB9スパイダーはアメリカ
のお客様に、シューティングブレークはヨーロッパのお客様にと割り当てることにしたのです」
 
ザガートは1950年代の雰囲気が漂っていた工場を最新設備
に入れ替え、同時に販売戦略を大転換し、今回の三部作では各モデルを3台ずつ生産した。

「購入の見込みがあるお客様をピックアップし、デザインスケ
ッチをもとに契約書を交わすというプレ販売を行うようにしました。お声がけするお客様はいずれもコレクターですし、今回の三部作もコレクターズアイテムでいわゆる耐久消費財ではありません」とも語る。またアンドレ社長が"ワンオフ"はあらゆる面で無駄だと断言したことが、私にとっては実に印象深かった。もちろん、その無駄を楽しむ富裕層がいるのも事実だ。

だが最低でも世の中に3台くらいが存在しなければ、後々にな
ってオークションでのコレクターの購買意欲を高めることができないのだろう。また、各モデル3台ずつ生産することで、ワンオフよりもコストを下げ、「販売価格も現実的なものを提示することができた」とも語った。

編集翻訳:古賀 貴司(自動車王国) Transcreation:Takashi KOGA(carkingdom) Words:David Vivian 

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