思いがけず購入したフォード・ギャラクシー・カントリーセダンを直す

Mark Dixon

クラシックカーの購入の最良方法について以前オクタンUKで特集を組んでみた。それについて同僚のグレン・ワディントンは、私達オクタン編集部の会話は、オンライン広告サイトを徹底的に探すことにまで発展してしまう、と書いた。また、「一度ならず、その煽りを直接受けて、私達のうちの誰かがその車を購入するという結末に至った」とも言っている。
 
彼のコメントは冗談ではない。私が、その特集でのファミリーカー部門のランキングのトップとして、巨大なアメリカン・ステーション・ワゴンをノミネートしたその3週間後、私は思いもかけず1963年式フォード・ギャラクシー・カントリーセダンを購入してしまったのだ。実際のところは、私の1927年型フォード・モデルTのピックアップと交換したのだが、それはあたかも1960年代のフォードの陳腐なプロモーション映像などに出てきそうなシーンである。そう、本当の田舎者が昔からずっと使ってきたオンボロ車を、デトロイトの技術による最新の車にアップグレードした様なものだ。


 
私はここしばらくの間、ずっとアメリカンワゴンが欲しくてたまらなかった。そして、それがネクスト・ビッグ・シング(次なる目玉)になるという予感がしていた。
 
ギャラクシーのリアシートを倒すと、何にも妨げられない約2.4×1.2メートルのラゲージスペースが現れる。テールゲートを下ろせば、3メートル以上の長尺物も積めるのだ。
 
私は展示用の車が欲しいわけではない。私はボディを磨いたり、砂利を気にしたりする使い方は好みではない。だから、このギャラクシーをeBayの広告で見つけたときは、もう一目惚れであった。ジェット機のような丸いテールライトとスラントしたテールゲートのおかげで、私の目には最もワクワクする60年代のワゴンのひとつに見えた。
 
思い浮かべてほしい。深夜、この車がさびれたガソリンスタンドの前に静かに止まり、ツイン・テールパイプから蒸気をもうもうと上げ、悪ぶった雰囲気でV8のビッグブロックエンジンにぶつぶつ文句を言わせているところを。これはもう、たまらないカッコ良さである。
 
このギャラクシーは、昨年アラバマ州からマット・ムーア氏によって持ち込まれたことが分かった。彼は、ランドローバー・ディフェンダーの販売が本業だが、こういった・ Yank tank(ビッグアメリカンのスラング表現)系も大好きだった。彼はこの様な数台を所有し、HRDC(Historic Racing Drivers Club)のレースイベントでは、オースティンA40からレベルアップし、ギャラクシー・クーペでの参戦を準備しているという。
 
万が一を期待して、私はマットに聞いてみた。私のモデルTと物々交換する気はないかと。そして驚いたことに、彼はすんなりと同意したのだ。
 


数日後、私はマットにT 型フォードの運転方法を短期集中で特訓し、彼はギャラクシーを私の車庫まで届けてくれた。ギャラクシーは通常の走行には問題はなかったが、公道で走ることができるようにするにはかなりの修理が必要だった。ホーリー製キャブレターには漏れがあって、390cu-in(約6.4リッター)のV8エンジンに燃料を過剰に供給してしまっていた。また、フロアパンには大掛かりな補修が必要で、フロントガラスにもひび割れがあったが、シャシーと車体は非常に素晴らしい状態だった。
 
私は、この素晴らしいボディの風格を維持することが最優先と考え、塗装だけはまったくいじらないことにするつもりだ。以前オクタンUKでも紹介したランドローバー・スーパーチャージ・シリーズⅠのオーナーであるジュリアン・シュルハイファーが、Owatrol社のオイルを防腐剤として奨めてくれたので、これで状態をキープするつもりだ。
 
私は人生で、おそらく最初で最後となるビッグアメリカンライフを始めることになる。平常心が大切だ。どんなにうれしくても常識的に、そしてのめり込み過ぎないようにしながら、更なる別のプロジェクトに取り掛かった。
 
私のガレージの近くに車庫を借りているアメリカン・エンスージアストが、溶接作業の世話をしてくれることになり、また大型ガラス専門の優秀なフロントガラス業者も紹介してくれた。法定検査を受けて公道を走ることができるまで数カ月は掛かると私たちは話し合った。うまくいけば、今夏までに私は近所のガソリンスタンドで悪ぶっていることができるだろう。

編集翻訳:オクタン日本版編集部 Transcreation;Octane Japan 原文翻訳:東屋 彦丸 Translation:Hicomaru AZUMAYA

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