テクノロジーに対するフェラーリの姿勢をF40を軸に見解する

octane UK


 
現在のフェラーリは、"入門クラス"のスーパーカーでさえ、あらゆる最新テクノロジーでいっぱいだ。『Octane』の姉妹誌『Evo』にはこうある。「レースで生まれたフェラーリのトラクションコントロールが驚くべきグリップを発生するおかげで、661bhpにもかかわらず、限界でもかつてないほどフレンドリーな車だ」661bhpという驚異の数字は、ツインターボの488GTBのものだ。しかもそのV8エンジンは、ターボの採用によって、先行の458の4.5リッターから3.9リッターに縮小されている。これが現在の一般的な流れだ。
 
とはいえ、ターボの搭載は何も目新しいことではない。フェラーリ初のターボ搭載ロードカーは1984年の288 GTOだ(前年にイタリア国内仕様として、308GTシリーズに2リッター・ターボの208ターボが登場している)。また、F1では1981年からターボを採用していた。ダウンサイジングも今ではおなじみのテーマだ。フェラーリも2007年にコンセプトカーのミレキリ(「1000km」の意)でエコを意識したハイブリッドのハイパーカーを発表していた。これが結実して誕生したのが2013年のラフェラーリだ。現行の跳ね馬の中では究極の決定版という位置づけで、500 台が製造された。オープントップバージョンのアペルタは209 台製造され、最後の9 台は70周年記念イベントでお披露目した。
 
ラ フェラーリは、マクラーレンP1やポルシェ918スパイダーと同様ハイブリッド車だが、789bhpものパワーを6.3リッターの自然吸気V12エンジンが発生する。加えて、F1 生まれのKERS(運動エネルギー回生システム)のモーターが161bhpを生み出し、トルクバンドのギャップを埋める。こうして、0 - 100km/h加速は3秒以下、最高速は350 km/hに達するのだ。実によくできている。120万ポンドの車だから当然だが。
 
私がフェラーリの中から好きなテクノロジーを選ぶなら、それは458 イタリアのパッシブエアロダイナミクスだ。フロントグリルに左右1 対のフィンがあり、これが高速走行時に曲がるのである。つまり、低速走行時はフロントに搭載したラジエターに空気を送り込み、高速走行時はグリルを部分的にふさいでドラッグを低減するのだ。

曲がるプラスチック。このほうが電動のウィングよりよっぽどクレバーじゃないか。

Words: Glen Waddington

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